任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)が6月5日に投開票され、社民党や共産党などアメリカ軍の普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志知事を支える県政与党が過半数を維持した。NHKニュースなどが報じた。
県政与党系は現有の24議席から27議席へと議席を増やした。今回の県議会選は、5月に県内で米軍属が逮捕された女性遺体遺棄事件を受けて、反基地の強い民意が示された結果となった。
■翁長知事「辺野古に基地をつくらせないという県民の思い」
時事ドットコムニュースによると、自民党は県議選を参院選の前哨戦と位置付けていたが、与党過半数を阻止できなかった。引き続き沖縄県議会は、アメリカ軍の普天間飛行場の辺野古の移設に反対する勢力が多数を占め、国は難しい対応を迫られる。参院選(7月10日投開票)への影響は必至とみられる。
一方、2014年12月に就任した翁長知事にとっては「中間審判」で信任を得た形となった。辺野古への基地移設計画をめぐる政府との協議では、今後も強い姿勢で臨むことになりそうだ。NHKニュースによると、選挙結果を受けて翁長知事は記者団に対し「普天間基地の移設を阻止する私の公約が一定程度、県民から理解をいただいたものだと思っており、大勝利だ。アメリカ軍関係者による事件が起きたなかでの勝利は、保革を乗り越えて名護市辺野古に基地をつくらせないという県民の思いであり、今後もしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。
各党の獲得議席は、無投票での当選を含めると、自民党14議席、公明党4議席、共産党6議席、おおさか維新の会2議席、社民党6議席、沖縄社会大衆党3議席、諸派3議席、無所属10議席となった。民進党は選挙前と変わらず、議席を獲得できなかった。
■7月の参院選への影響は
1月の宜野湾市長選では、自民党・公明党の支援を受けた現職が、翁長知事が支援した新人に勝利しており、知事の県政与党系は今回の県議選で「連敗」を回避した格好となった。7月に控える参院選で、沖縄選挙区は改選1。辺野古移設を進める自民党が公認する現職の島尻安伊子沖縄担当相と、社民党や共産党などが統一候補として推す新人の伊波洋一元宜野湾市長による事実上の一騎打ちとなる見通しだ。時事ドットコムニュースは「与党過半数を阻止できなかった自民党は苦戦を強いられそうだ」と分析した。
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