銃乱射の中、先生は自閉症の児童をかばって絶命した。銃規制法案の審議で米上院議員が語ったこと

演台を降りるまでに14時間50分を費やした演説の最後に、マーフィー議員はこう締めくくった。
NBC News

アメリカ・フロリダ州オーランドの銃乱射事件を受け、アメリカ上院議会では、テロ容疑者に対する銃の購入を規制する法案の採決を求め、民主党議員が長時間の演説(フィリバスター)を行った。

銃による大量殺人事件の蔓延に対し、議会が行動を起こさなくてはならないと15時間にわたって訴えたクリス・マーフィー上院議員(民主党、コネチカット州選出)は、自分にとって最も重要な話を演説の最後に持ってきた。4年前に、地元選挙区で起きた小学校での銃乱射事件についてだ。

コネチカット州サンディ・フック小学校で2012年12月14日、アダム・ランザ容疑者(当時20)が銃を乱射し、児童20人と大人の女性6人が殺害された。マーフィー氏が地元から立候補して議員に当選して1カ月足らずで起きた惨事だった。

サンディ・フック小学校で2012年12月14日に発生した銃乱射事件

演説も終盤に差し掛かった6月16日午前2時を回った頃、マーフィー氏は、あの悲劇の最中にあって最も心を打つ、ある人物の行動を回想した。

銃が乱射されている最中、1人の教師が自閉症の6歳児童を、これ以上の恐怖を与えまいと両腕で抱きかかえていた勇気ある姿だった。

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アン・マリー・マーフィー先生はディラン・ホッケリー君を見つけ、彼を抱きかかえました。どうしてそのようなことが分かったのでしょうか? それは、警察が教室に乗り込んだとき、命を落としたディラン君が、マーフィー先生の腕に抱かれていたのを目撃されたからです」とマーフィー議員は語った。

「上院議会の演台で2時間、6時間、さらには14時間であっても、ただそこに立っているだけなら勇気を必要としません。有権者の90%が変化を望んでいるときに、銃規制のロビイング活動のために立ちあがるのにも、勇気は必要ありません。

しかし、殺人現場から逃げず、銃撃犯と顔を合わせ、その場で6歳の子どもを抱きかかえ、腕の中にいる小さな子供のために、ほんのわずかだけでも心の安らぎを与え、その代わりに死を受け入れることは、勇気を必要とするのです。

マーフィー先生にそれができるなら、オーランドの事件やサンディ・フックの事件が二度と起こらないようにするには自分たちに何ができるかを自らに問いかけなくてはなりません

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演台を降りるまでに14時間50分を費やした演説の最後に、マーフィー議員はこう締めくくった。

マーフィー議員は、議場から立ち去る前、2人の議会首脳が賛成票を投じると約束してくれた、と語った。

民主党は、見本市やオンライン上で銃の購入するときに身元の確認を徹底する修正案、そしてテロ容疑者リストに名前がある人物の銃購入を禁止する法案の採決を求め、共和党と民主党の首脳同士で合意した。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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