PRESENTED BY ビフェスタ

時短勤務ママと同僚、山積みのタスクをどうこなす? 働く女性たちの「5時から」を描いたあるあるな日常

「専業主婦思考」の若者が増えているといいますが、「仕事と育児の両立は無理」という思い込みが原因。実際は、もっと充実感に溢れているようです。
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「子供のお迎えがあるので、あとお願いね。(ごめんね......)」。午後5時、時短勤務で働く女性は、同僚に仕事を頼んでオフィスをあとにする。後ろめたい気持ちとともに。

「了解です。おつかれさまです!」。仕事を任された同僚は笑顔で見送る。わあ大変、今日もタスクは山積み。夜には予定が......。

これはマンダム「うる落ち水クレンジング」のWebムービーに描かれたワンシーン。この動画では、働くママとその同僚という立場は異なるが、共に、仕事やプライベートに奮闘する二人の女性の"5時から"が描かれている。

時短勤務で5時に帰っても、当然ママたちがゆっくり過ごせる時間はない。子供のお迎えに始まり、夜の寝かしつけが終わったあとにも、パソコンを広げ、会社から持ち帰った仕事を片付けているかもしれない。

そんな忙しいママを陰で支えているのが、共に働く同僚たちだろう。理解があるからこそ、もちろん協力を惜しまない。しかし、彼女たちも仕事やプライベートで悩みやタスクを抱えているのだ。

動画から見えてくるのは、そんな多忙な女性たちのリアルな姿。次々と溢れるシャボン玉のように表現されたタスクをサクサクとこなしながら、小気味よく消していく。充実感や前向きな感情が2人の女性から伝わってくるが、実際のところはどうだろう。

立場の違う二人でも、タスクを可視化したり、経験したりすることで互いを理解したり、共感できるポイントがあるのではないか。そこで、子育て体験のインターンシップや、企業向けの研修プログラムを提供しているスリール株式会社の堀江敦子さんにお話を聞いた。

スリール株式会社 代表取締役・堀江敦子さん。日本女子大学社会福祉学科にて「働く女性の子育て支援」を研究。2009年、最年少でワーク・ライフバランスコンサルタントを取得。2010年、新宿区男女共同参画推進委員に就任。当時勤めていたIT企業を退社したのち、同年11月にスリール株式会社を設立。仕事と子育てのリアルを学ぶ「ワーク&ライフ・インターン事業」では、経済産業省の第5回キャリア教育アワードの中小企業第1部において優秀賞を受賞。

ネガティブイメージからくる若者の「両立無理志向」とは?

——育児体験のインターンシップというのは、どのような思いから始めたのでしょうか

私は大学の講演も年間1,000人以上やっていますが、今、女子大学生の6割が「専業主婦志向」と言われています。これは、専業主婦志向ではなくて、「両立無理志向」と私は呼んでいます。

「子供が生まれたら仕事をやめたい」と言っている女子大学生たちに「本当に専業主婦になりたいの?」とたずねると、「本当は働きたい」と言うのです。ただ、「電車で見かける働くおじさんたちが超つらそうだし、子育ても大変そう。仕事と育児の両立なんてスーパーウーマンしかできない」そういった漠然としたネガティブイメージから「両立は無理」と思い込んでしまっているんです。

では実際に、「仕事と子育て、両立している人に会ったことがある?」と聞くと、7〜8割が「会ったことがない」と答えるのです。彼女たちは、リアルを見ないうちに、漠然とネガティブイメージを抱き、最初から「5時に帰れる会社はどこか」とか、「一般職のほうがいいのかな」と、自らの道を狭めてしまっているんですね。

完璧じゃなくてもいい。働くママは「自慢のママ」

——具体的にどのようなインターンシップを行っているのでしょう?

1つの家庭に2人の大学生がペアで、同じ家庭に4カ月間通います。月6回、だいたい平日の夜6時から9時までの間お預かりをするのですけれども、保育園にお迎えに行って、一緒に家に帰ってきて過ごします。家庭はその学生をホストファミリーみたいな感じで受け入れています。

学生さんたちに「社会に出るのが楽しみ?」と聞くと、インターン前は57%が肯定意見、インターン後には87%が肯定意見になります。また「仕事と子育ての両立に自信が持てますか?」と聞くと、インターン前は13%、インターン後は60%の方が「自信が持てる」という結果も出ています。

——両立無理志向の学生さんたちが、自信を持てるようになったのはなぜでしょう?

やはりリアルを見せるからです。ご家庭に行ってみたら、部屋が普通に散らかっていたりすると「なんだ完璧じゃなくてもいいんだ」と気づくと言います。

それから、子供たちが働いているパパやママをすごく誇りに思っていて、「ぼくのママは、こんなお仕事をしているんだよ」って、自慢してくれたりするみたいなんです。そういう子供たちの姿や、イキイキと働く親の姿を見れば、「そういうのもいいな」と前向きになれるのです。

子供にとっても、親にとっても良い体験

——インターンを受け入れたご家庭からは、どのような声がありましたか?

1つはまず「子供にとっていい時間になりました」という声です。毎回同じ学生さんが来るので、「おにいちゃん(おねえちゃん)たち、次はいつ来てくれるの?」と楽しみになってくれるというのです。

2つめは、「子供が喜んでいる時間だから、その時間を自分たちのために使ってもいい」と思えるようになった、という声です。たとえば、セミナーや勉強会に行く時間に使ったり、夫婦でゆっくり話す時間を設けたり。「子供が生まれてから初めて、4年ぶりに2人で出かけました」という声もありました。

3つ目が、学生さんたちに自分の仕事の話をすることによって「自分のキャリアの振り返りになった」という声です。そして、子育てしていても楽しく働けることを伝えるために、自分がロールモデルになろうと前向きになれるといいます。

「子育ては多様である」働きやすい職場環境を目指した取り組み

――動画では、働くママの5時からが実に多忙であるかが描かれていました。そうしたリアルな姿を知ることも大切に思います。

子育て中のパパ、ママへの理解を深めようと努める企業が増えているため、企業向けの研修プログラムも数多く実施しています。

時短勤務で5時に帰った後がどれだけ戦争なのか。たとえば食事ひとつをとっても、すぐに食べてくれる子もいれば、なかなか食べてくれない子もいる。また大変な部分だけではなく、子どもとの時間がいかに素晴らしくて目が離せないものなのかも体感します。このように経験すると、それぞれの部下の状況がいかに多様であるということが分かり、マネジメントに活かされていくのです。

ライフを開いてタスクを"見える化"。好循環な職場づくり

お互い、立場も家庭も異なる人同士が、同じ職場で働いているわけですから、それぞれの状況を洗い出して、共有することはすごく大切です。ライフの部分をもう少し"見える化"する。そうすれば、どうやったら助け合うことができるのだろうということを、制度ではなくて運用の中で考えていこうと考えるようになります。

日本では、プライベートのことはあまり言わないほうがいいという風潮がありますが、職場だからこそ、ライフを開くことは大切だと思います。

――スリールさんの職場では、なにか取り組みをしていますか?

スタッフの日報に、業務のことだけではなく、なるべくプライベートのことも書いてもらっています。スタッフが悩んでいる顔をしているのは、会社の仕事のせいではなくて、ライフのことだった、ということが分かることもあります。

週末に家族を交えたホームパーティをしたこともありますが、同僚のご家族に会うことはポジティブに作用することが多いと感じます。たとえば「子供が風邪引きました」という状況のときに、顔を知っていれば「ハル君お熱出ちゃったのー?」とみんなが親身になって心配したり、仕事をサポートしてあげたりといった雰囲気が自然と作られるんです。

――動画では、同僚である二人がお互いを気遣い合うようなシーンもありました。働くパパ・ママをサポートする意識が高まっている一方で、それをサポートしている同僚たちにも配慮ができればいいですね。

時短勤務の人は、余裕がない時でも感謝の気持ちを伝えることは大切だと思います。いつもは支えている同僚のほうも、時短勤務の人を頼ってみてもいいと思います。頼るというのは、仕事を頼むというよりも、人生の先輩から「仕事と子育ての両立」について聞いてみたり、仕事の上でのタスク効率の相談をしてみても良いと思います。ママ社員は、仕事の上でもプライベートの上でも先輩であることが多いですし、両立をしているからこそ、仕事の効率テクをたくさん持っていたりします。

いつも助けてくれている同僚に頼られたら、嬉しいし、自分の経験で活かせることがあるなら後輩にどんどん伝えていきたいと考えている方も多いです。そうするとお互いがWin-Winでより良い関係を築けるはずです。

タスクの「仕分け」と「効率化」

――タスクを可視化した上で、効率良くこなすヒントはありますか?

女性たちも結婚・子育てが近づくと、「キャリア」・「プライベート」・「周囲との関係」という3本軸をいっぺんに考えてしまいがちです。

動画にもあったように、いろいろなタスクが頭の中に積み上がってきて、「全部やらないと!」という思いから焦ったり悩んでしまったりして、疲れてしまうことも、しばしば。

キャリアのこと・プライベートのこと・周囲に任せていいことに整理をしていくと、少しずつ自分の思考が整理されていきます。

女性の脳内構造(イメージ)。女性は「整理」と「交渉」が下手くそさん。一度に考え、ひとりで悩んで迷宮入りしてしまう傾向にあると、堀江さんは言います。

重要なのは、可視化したタスクをクリアに「整理」すること。そして、頼れるものは頼ってしまうもの。動画の中でもたくさんのタスクが消えたり、増えたりしていました。忙しくなってくると「仕事どうしよう」「子育てどうしよう」「この先どうしよう」となってしまいますよね。

そこで、タスクの優先順位やカテゴリを仕分けしてみると、今やるべきことが明確になり、人に任せられることも見えてくるんです。これが、効率化やゆとりにつながってきます。動画の中では、子どもの相手をしながら「水クレンジング」を使って賢くメイクを落としているシーンがありました。また、遅い時間に帰宅し、お風呂に入る元気と時間がなくても、メイクは効率的にしっかり落としているシーンもありました。

もっと人やモノに頼ってもいいのです。山積みのタスクを1人で抱え込まないで、頼ったり、人とシェアしたりすることで、仕事も育児も辛いものではなく、「やりきった!」という充実感を得られるものになるのではないでしょうか。