ボルネオの赤ちゃんオランウータン、ハンターに撃たれて置き去りにされる

ディディクが精神的ショックから立ち直るにはかなりの時間がかかるだろうと語った。
IAR

ボルネオ西部に生息するオランウータンの赤ちゃん「ディディク」が瀕死の状態で置き去りにされていた。しかし運良く一命を取り留めた。

発見された時、ディディクは肩に銃弾が撃ち込まれていた。目や皮膚は感染症に侵され、空腹のあまりエサを食べるために口を開けることさえままならない状態だった。

ハンターたちは、ディディクを捕獲してペットとして売るため、ディディクの母親を撃ち殺した。ディディクはどうやらその時に銃弾を受けたらしい。ディディクが怪我をしているのがわかったため、ハンターたちはディディクを置き去りにしたようだ。国際動物レスキュー(IAR)によれば、オランウータンをペットとして飼うことは違法であるため、そのハンターたちはディディクを手当てさせるリスクを取らなかったのだろう。

ディディクがどれほどの時間、ひとりで恐怖と飢えに震えながら放置されていたのかはわからない。しかし、ディディクはやがて地元の山林保全課の職員たちの目に止まり、彼らがIARに連絡して助けを求めた。

IAR職員はただちにディディクをIARの救護センターに搬送したが、ディディクは重症の栄養失調のため発育不全の状態にあると獣医たちは診断した。

これまでディディクのために寄付を贈ってくださったすべてのみなさんに心から感謝します。有難うございました。私たちがこうした活動ができるのもみなさんの支援のおかげです。寄付を贈って頂ける方は、どうか以下のウェブサイトを閲覧下さい。

これらの写真には、私たちのチームがディディクを見つけた店で写したディディクが写っています。

ディディクは生後18カ月なのですが、ひどい栄養失調のためにとても体が小さいのです。

専門の獣医チームからの情報がまた入り次第、みなさんにもお知らせします。

できればぜひともご寄付にご協力願います。

「ディディクの体はとても小さいが、歯の状態を調べた結果、生後約18カ月だと推定される」と、IARインドネシア支部のプログラム部長カーメル・ラーノウ・サンチェズ博士が声明の中で述べている。

サンチェズ博士は、ディディクがこのような精神的ショックから立ち直るにはかなりの時間がかかるだろうと語った。

「オランウータンのような動物にとって、自分の母親の死を目の当たりにするのはこの上なくショッキングな経験なのです。ディディクがとても悲しそうに落ち込んだ様子なのは、間違いなくそれが原因です」と、サンチェズ博士は述べた。「実体験してしまった悪夢からディディクが立ち直り、周囲のことに関心を示すようになるには長い時間が必要でしょう」

4、5日間の治療を経た後、24日、IARは少し元気になって嬉しそうなディディクの写真をFacebookに掲載した。その際、ディディクの医療費を捻出するための募金のお願いした。

ディディクの近況

ディディクを助けるための募金運動に応えてくださったみなさん、ありがとうございました。獣医チームによると、ディディクは快方に向かっており、体重も少し増え始めたということです。

私たちの獣医のアユ先生は、毎日赤ちゃん用のおかゆにバナナを混ぜたものをディディクに注入器で食べさせています。ディディクは自分の力で口を開けるのがまだ難しく、それで注入器を使わなくてはなりません。また、体力回復のために必要な必須ビタミンをやはり注入器で与えています。

皆さんがもしも注入器3本分の栄養とビタミン剤をご寄付くださることができれば、本当にありがたいことです。それらの費用は15ポンド/19ユーロ/22ドルで、私たちのウェブサイト上で購入いただけます。

この小さなオランウータンの命を救うために私たちを支援してくださり、重ねて感謝いたします。

IARスタッフによると、ディディクは赤ちゃん用のおかゆにバナナを混ぜたものと、必須ビタミンを注入器で食べさせてもらっているという。ディディクはまだうまく口を開けることができない。

「ディディクは回復の兆しを見せており、少しずつ体重も増え始めたと獣医チームからの報告があった」と、IARは話している。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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