パリのためにみんな祈ったけれど、イスタンブールはどうだった?

トルコの自爆テロに対する反応は、明らかに印象が薄い。

トルコ最大の都市イスタンブールで起きたテロにも、世界は(黙祷ではなく)再び沈黙したままだった。

およそ130人の犠牲者を出した2015年11月13日のパリ同時多発テロ事件や、30人以上の犠牲者を出した2016年3月のブリュッセルのテロ事件に対しては、国境を超えた団結が一挙に高まった。その一方で、イスタンブールのアタチュルク国際空港で41人の犠牲者と239人の負傷者を出した6月28日の自爆テロに対する反応は、明らかに印象が薄い。

ほんの一部の国が、トルコ国旗の色に合わせてビルやモニュメントのライトアップを行い、追悼の意を示した。

オーストラリアのメルボルンでは、市庁舎がトルコ国旗の色に合わせてライトアップされた。

メキシコのメキシコシティーでは、外務省の庁舎にトルコ国旗の色が映し出された。

ドイツのベルリンでは、ブランデンブルク門前で2人の市民がトルコ国旗を掲げ、トルコ国旗が門にイルミネーションとして映し出された。

アメリカはどうか。29日夜、ニューヨークのエンパイアステートビルはライトアップされることはなかった。ワールドトレードセンターはベルギーフランスのテロ事件後にはそれぞれの国旗の色に合わせてライトアップされたが、トルコ国旗の色が映し出されることはなかった(29日、エッフェル塔がトルコ国旗の色に合わせてライトアップされる予定だったが、技術的な問題から、追悼は30日に変更された)。

2015年11月13日、パリのテロ攻撃で犠牲となった人々への追悼の意を込めて、青、白、赤のフランス国旗の色が映し出された世界中のビルやタワー。写真はそれぞれ(上から下、左から右):ロンドンのナショナルギャラリー、ロンドン・アイの観覧車、トロントのCNタワー、上海のオリエンタルパールテレビタワー、ベルリンのブランデンブルク門、台湾の台北101、シドニーのオペラハウス、メキシコの独立記念塔、サンフランシスコの市庁舎

そして犠牲者を追悼する夜通しの追悼集会が行われなかったのは、驚くべきことだった。

AP通信のロブ・ハリス記者によると、欧州サッカー連盟は、トルコがユーロ2016の大会からすでに敗退していることを理由に、準々決勝が行われる間、黙祷の時間を設けない。

欧州サッカー連盟:#ユーロ2016の準々決勝で、イスタンブール国際空港の犠牲者への黙祷の時間を設けなかった。

欧州サッカー連盟は、悲劇的な事件が起きた時の黙祷の時間は、「サッカーや、参加チームのうちの一つ、そして開催国に直接関係のある場合のみ」執り行う、と述べている。

Facebookは、安全確認ができる機能を設置し、危機的状況にいるかどうかユーザーがマークを表示できるようにしたが、トルコ国旗を自分のプロフィール写真に重ね合わせて簡単に加工できるようなフィルターは設置しなかった。フランス国旗やベルギー国旗のフィルターは設置されている。

下のイラストでは、悲しみの気持ちがうまく表現されている。

トルコのイスタンブールでテロ攻撃が起きたと聞いて、胸が張り裂けそうなほど悲しい気持ちだ。この絵は、とても悲しいものだ、実際この通りだ。

3月にトルコの首都アンカラで発生した爆破テロ事件の後にFacebookに投稿されたあるメッセージが急速に拡散した。トルコでテロが起きても、パリやブリュッセルのように追悼や支援の声がそれほど高まらない現実を浮き彫りにしている。

投稿者のジェームズ・テイラーさんは、犠牲者は「通勤中に毎日見る人々、あなたや私のような、普通の、幸せな人々」だと思ってほしいと述べた。

「犠牲になった人々は特別な人じゃない。たまたま、トルコ人だっただけだ」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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