山田太郎氏、約29万票獲得も落選。民進党の比例当選トップを上回ったのになぜ?

7月10日に投開票された参院選比例区で、新党改革の山田太郎氏が約29万票と大量得票したのに落選した。

7月10日に投開票された参院選比例区で、新党改革の山田太郎氏が約29万票と大量得票したのに落選した。表現規制反対を訴えて、東京・秋葉原に選挙事務所を構えるなどして、オタク層の若者から幅広く支持を受けたが及ばなかった。

しかし、彼の獲得議席は比例区で当選者を出した各政党の議席獲得者の最低得票ラインをいずれも上回っていた。

民進、おおさか維新、社民、生活の4党ではトップ当選者の獲得票を上回った。民進党1位の電力総連顧問の小林正夫氏(約27万票)、おおさか維新で1位の片山虎之助・元総務相(約19万票)、社民党1位の福島瑞穂・元党首(約25万票)よりも獲得票は多かった。

自民党では、第7位で当選した元拉致担当相の山谷えり子氏の約25万票を上回った。第5位だった歌手の今井絵理子氏の約32万票と比べても遜色のない票数だった。公明党でも第7位でギリギリ当選した宮崎勝氏(1万8000票)を上回った。

■新党改革だとなぜ当選できないのか?

山田太郎氏は、得票数が多いのになぜ落選したのか。これは、2001年から参議院の比例区では「非拘束名簿式」という制度を採用しているからだ。朝日新聞では以下のように解説していた。

政党名でも候補者名でも投票できる制度で、2001年の参院選から導入された。政党名得票とその党に所属する候補者名得票を足した票数が、その政党の比例区での総得票数になる。総得票数に応じて議席を配分し、各党の議席数を決定。候補者名での得票が多い順に当選者が決まる。候補者名簿は全国共通の一つだけ。 (2013-07-18 朝日新聞 夕刊より)

つまり、政党名での得票と個人名の得票の合計で、各政党の当選者の人数がまず決まる。その上で、個人名の得票が多い人から順に当選するというシステムだ。

しかし、新党改革は政党名と全候補者の名前を合わせても約58万票。辛うじて青木愛氏1人を当選させた「生活の党と山本太郎となかまたち」の半分程度の得票だったため、1人も当選できなかったのだ。

■おおさか維新に一度は入党した過去

今回の参院選で改選を迎えた山田氏は、みんなの党、日本を元気にする会を経て、4月25日におおさか維新に入党した。しかし、3日後に除籍処分を受けた。同党の馬場伸幸幹事長によると、参院選で埼玉選挙区に擁立を予定していたが、山田氏が党の方針に従わなかったのが理由だった。

※この原稿は7月11日正午現在の開票率99.9%の時点のデータを基に記述しました。開票終了後も内容的に変更はありません。

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