ドナルド・トランプ氏、副大統領候補にインディアナ州知事マイク・ペンス氏を指名か 豊富な政治経験を買う

共和党議員にとってペンス氏は「安心できる」選択だ。
Presumptive US Republican presidential candidate Donald Trump (R) and Indiana Governor Mike Pence (L) take the stage during a campaign rally at Grant Park Event Center in Westfield, Indiana, on July 12, 2016. / AFP / Tasos KATOPODIS (Photo credit should read TASOS KATOPODIS/AFP/Getty Images)
Presumptive US Republican presidential candidate Donald Trump (R) and Indiana Governor Mike Pence (L) take the stage during a campaign rally at Grant Park Event Center in Westfield, Indiana, on July 12, 2016. / AFP / Tasos KATOPODIS (Photo credit should read TASOS KATOPODIS/AFP/Getty Images)
TASOS KATOPODIS via Getty Images

アメリカ大統領選挙で共和党の候補指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏は、インディアナ州のマイク・ペンス知事を副大統領候補に指名する意向を固めたと、インディアナ州の地方紙「インディアナポリス・スター」など、複数のメディアが報じている。

正式な発表は、7月15日にニューヨークで行われる予定。複数のメディアはすでに契約が結ばれたと報じているが、14日午後の時点で二ューヨーク・タイムズは、ペンス氏が副大統領候補に指名されることが有力と報じた。トランプ氏の広報は、副大統領候補は決定していないと否定している

インディアナポリス・スターは、ペンス氏が副大統領候補となるため知事選の再出馬を断念したと報じた。ペンス氏の再出馬取りやめで、歴史上初めて、インディアナ州から副大統領候補が登場することになる。

57歳のペンス知事が4年に及ぶ州知事としての経験を選挙キャンペーンに活かせば、共和党内のエスタブリッシュメント(主流派)の抵抗に対し、トランプ氏の信頼性が強化する役割を果たせるかもしれない。またペンス知事は下院議員を12年勤め、在任中に下院予算委員長を2年勤めた経験から、「権力の回廊」と言われるワシントンでうまく渡り合える人物という、トランプ氏が表明している副大統領候補の資格に適しているようだ。

ペンス氏はこれまで大統領選出馬を2度検討したことがある。各地の保守派やキリスト教福音派から人気が高く、ジョニ・エルンスト上院議員(アイオワ州共和党)や、大統領予備選でテッド・クルーズ氏(テキサス州共和党)の選挙事務長を務めたジェフ・ロー氏などから支持されている。

エルンスト氏は政治ニュースサイト「ポリティコ」に自分自身はそのポストに関心がないことを言明したあと「私はペンス氏のファンです。彼は非常に多才で知事として貢献している、すばらしい保守派の政治家だと思います。うまくいかない訳がありません」と語った 。

共和党のケビン・ホア議員は、ペンス氏が党内の保守派や草の根保守団体「ティーパーティー」グループと協力してトランプ氏を支えることができるだろうと言った。

「彼は党の支持母体、特にこれまでトランプ氏を支持していなかった人たちを引っ張って来ることができる人材だと思います」。ホア氏は、クリーブランドで開かれた共和党全国委員会(RNC)議事委員会公聴会でハフポストUS版に語った。「これでテッド・クルーズ氏の支援者をたくさん連れて来られるかもしれません。そして、政治経験が豊かな人が参画することにもなります。政治経験こそ、ドナルド・トランプ氏が自分に足りないと分かっているものですから」

2000年のブッシュ大統領、チェイニー副大統領の選挙キャンペーンでアドバイザーを務めた共和党のスティーブ・イェーツ議員は、自分を含む共和党議員にとってペンス氏は「安心できる」選択だとして、 トランプ氏との間に意見の相違がある経済政策やイスラム教徒排斥問題については問題視しなかった。

「 誰が候補者リストのトップにいるのか、大統領候補がどういう人物なのか、副大統領候補がどういう人物なのか、そんなことは問題ありません」と、イェーツ氏はRNC議事委員会公聴会でハフポストUS版に語った。「それは大した問題ではないと思います。長年の政治活動の中で意見や政策を異にしたことがある副大統領候補者がいるのはよくあることです。しかし私たちは自分が信じることを一緒にやるために公認候補者に名前を載せる訳です。もしトランプ氏がペンス氏を快く受け入れるなら、それは良いことだと思います」

12日にトランプ氏と話をしたというある情報筋は、12日時点でペンス氏指名はすでに決まっていたという。ペンス氏がトランプ政権に必要な安定性をもたらすこと、そしてトランプ氏が不得意な政策もペンス氏ならこなせるだろうと期待されている。またトランプ氏は、インディアナ州知事としてのペンス氏を評価し、彼を副大統領候補に指名すれば大統領選でインディアナ州を確実に抑えられるという見込みも立つ。

2015年、ペンス氏はLGBTの人たちに対する差別を合法化する宗教自由制限法案に調印し、国中の論争に火をつけた。しかし市民団体やビジネス界のリーダーからの激しい反発を受けて、氏は性的指向やジェンダーアイデンティティの保護を保証する方向に法案を改正せざるを得なくなった。

トランプ氏に指名される前から、ペンス氏を批判する人間がいる。著名な保守派のラジオパーソナリティで、保守派のサイト「レッドステート」の元編集長エリック・エリクソン氏は、Twitterでペンス氏に釘を差した。

トランプ氏がマイク・ペンス氏を指名したらさぞかし大笑いだろう。2年前、ペンス氏がゲイ・アクティビストにすぐに屈服したことを考えてみると。

トランプ氏のキャンペーンに参加することで、ペンス氏は州知事の再出馬を断念することになる。インディアナ州の州法により、副大統領候補と州知事候補の両方の選挙候補にはなれないと決められているからだ。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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