中村紘子さん死去 国際的ピアニスト、カレーのCMにも出演

国際的に活躍したピアニストの中村紘子さんが7月26日、大腸がんで死去した。72歳。

撮影日:2016年04月04日

国際的に活躍したピアニストの中村紘子さんが7月26日、大腸がんで死去した。72歳。朝日新聞デジタルなどが伝えた。

山梨県出身。幼少期に、のちの桐朋学園音楽科となる「子供のための音楽教室」1期生として指揮者の小澤征爾さん、堤剛さんらとピアノを習った。早くから才能を認められ、慶応中等部3年だった1959年に日本音楽コンクールのピアノ部門で歴代最年少の1位特賞。翌年にNHK交響楽団と共演した。

その後、ジュリアード音楽院に留学し、1965年の第7回ショパン国際ピアノコンクール(優勝はマルタ・アルゲリッチ)で、日本人として2人目で最高位となる4位に入賞。こちらも最年少での入賞を果たし、国際的な名声を確立した。

1982年にチャイコフスキー国際コンクールの審査員を務めるなど、世界のピアノコンクールの審査員を務めたほか、1997年から2009年まで「浜松国際ピアノコンクール」の審査委員長として、若手の育成にも尽力した。

精力的な演奏活動の傍ら、審査員経験をもとに国際ピアノコンクールの舞台裏をつづった著書『チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代』は、1989年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『ピアニストという蛮族がいる』『コンクールでお会いしましょう 〜名演に飽きた時代の原点〜』などの著書もある。ハウス食品のカレーのCMなどテレビにも多数出演し、対人地雷廃絶の運動にも取り組むなど、多彩な活躍でクラシックファン以外にも親しまれた。

夫は芥川賞作家の庄司薫さん。2014年2月に大腸がんが見つかり、2015年3月に復帰したが、同年8月から2016年3月まで再び休養するなど、復帰と休養を繰り返していた。

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