20年前「女が大統領になる」というTシャツを作った91歳の女性は、現実になるのを心待ちにしている

「ヒラリーがワシントンで宣誓する時には、私はこのTシャツを着てその場にいるつもりです」

20年以上前、現在91歳の女性アン・モリバー・ルーベンさんは「いつか女が大統領になるだろう!」と書かれたTシャツをデザインした。そのTシャツは人を不快にさせるという理由で、1995年にウォルマートの店頭から姿を消した。民主党のヒラリー・クリントン氏が主要政党で初の女性大統領候補となった今、このことが再びニュースとなった

ルーベンさんはまたTシャツを作ったが、少し変更を加えている。新しいシャツも表側には「いつか女が大統領になるだろう」と書かれているが、裏側には「今がその時だ」と書かれている。

「現実になるなんて思いもしませんでした」と、ルーベンさんはハフポストUS版に語った。「でも今、現実にそれが起こっていて、神様は私を生かし続けてくださっています。だから実現するところを目の当たりにできるかもしれません」

これが人を不快にさせるTシャツだ。

ルーベンさんはクリントン氏の熱心な支持者で、彼女が当選するためならできることは何でもすると語った。女性大統領をその目で見たいという彼女の願いは、彼女が8歳の時まで遡るという。いとこの男の子と"ビジネス"という名前のゲームをした時、男の子が社長で、彼女は彼の秘書だったという。2日間遊んだ後で、彼女は男の子に「交代したい」と言った。

「彼は言いました。『アニー、君はバカじゃないの? 男の子は絶対に秘書にはならないし、女の子は何であっても一番偉い人には絶対になれないんだよ』 」。そして彼は、彼女のお腹にパンチをしたという。

おばさんは彼女を慰めて、男の子は時々意地悪になることもあると言った。

「でも、おばは必要なことを言いませんでした。私に必要だったのは、『もちろん女の子も一番偉い人になれるわよ』という言葉だったんです」と、ルーベンさんは言った。「これが始まりでした」

ルーベンさんによると、彼女の父親はいつも彼女の賢さを褒めて支えてくれたという。実際に大統領になりたいと思ったことはなかったが、教育は受けたいと思った。心理学で博士号を取得して大学教授になり、その後、結婚と家庭問題を扱うセラピストとしてフロリダで35年間働いた。

彼女は「幸福なセラピストの回顧録」という本を書き、好評を博したと彼女は言った。「私の本を読んだ多くの人が私を天才だと言ってくれました。何人かの男性からは、『本を読んで、あなたに恋をしてしまいました』と言われましたよ」

彼女と亡くなった夫の間には3人の子供がいる。全員男で、男の子の孫が4人いる。ルーベンさんは息子たちを、女性を敬うように育てたという。息子たちは彼女が教育を受けて働くのを見ていたからだ。

「息子たちは生まれてからずっと、自分の母親を"女性は成功できると信じているフェミニスト"として見てきました。それはまさに父が私に言っていたことです。『アニー、お前は賢いよ』」

彼女はTシャツのデザインもした。1995年にフロリダのウォルマートで店に苦情が来るまで売られていたものだ。当時、ウォルマートの広報担当の女性はAP通信に対して「そのTシャツは一部の人を不快にさせるということから、売り場から回収するという決断をしました」と語った。

現在のウォルマートは当時のコメントを支持していない。「20年前のこの誤った決断は、未だに私たちを悩ませています」と、7月27日に出された声明で広報担当の女性ダニット・マークワッド氏は言う。「私たちは、この国とこの会社が、職場と社会への女性進出に関して大きな進歩を遂げたことを誇りに思います」

1995年、ウォルマートは「いつか女が大統領になるだろう」と書かれたTシャツを"家族観"を損なうものとして棚から引き上げた。

ルーベンさんは、この「いつか女が大統領になるだろう」のミニTシャツを、クリントン氏の初孫の女の子が生まれた2014年に贈ったと話した。

ルーベンさんは彼女が受け取った手紙を読んだ。「ルーベン博士へ。心のこもったお手紙と可愛らしいTシャツをありがとうございました。私たち家族にとって喜ばしいこの時に、お心遣いと励ましをいただき感謝しています。ご支援に感謝します。前へ!」

ルーベンさんはフィラデルフィアでの民主党全国大会には参加していないが、2017年1月にクリントン氏を個人的に支援する計画を立てている。

「彼女がワシントンで宣誓する時には、私はこのTシャツを着てその場にいるつもりです」と彼女は言った。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

関連記事

関連記事

注目記事