大量死で唯一生き残った「奇跡のクロマグロ」死す 園長「覚悟していたが...」

葛西臨海水族園(東京都江戸川区)は8月2日、2014年11月以降に発生した謎のマグロ大量死を乗り越え、唯一生き残っていたクロマグロが死んだと発表した。

葛西臨海水族園(東京都江戸川区)は8月2日、2014年11月以降に発生した謎のマグロ大量死を乗り越え、唯一生き残っていたクロマグロ(写真)が死んだと発表した。展示されている大型水槽のアクリル板に衝突したことが死因と見られる。朝日新聞デジタルなどが伝えた。

死んだのは、2012年6月に高知県から搬入された5歳のクロマグロで全長145センチ、体重61キロ。2日午後、水槽の底に沈んで死んでいるのが見つかった

マグロの回遊

同園ではマグロの群泳が展示の目玉だったが、14年11月以降、クロマグロが大量死する問題が発生。ウイルスやストレスなど複合的な要因が影響したと見られている。15年3月、このクロマグロが1匹だけ生き残ったことから「奇跡のマグロ」と呼ばれ、来園者が記念撮影をするなど人気を集めていた。お土産コーナーではクロマグロのぬいぐるみも販売された。

クロマグロのぬいぐるみ、葛西臨海水族園

NHKニュースによると、水族園が水槽に設置されたビデオの映像を確認したところ、他のマグロにつられるように突然速く泳いだあと、水槽のアクリル板に衝突する様子が記録されていた。

同園で飼育されているクロマグロの平均寿命は5~6歳。死んだクロマグロは、7月中旬から2週間ほどエサを食べない異変がみられていたという。園長の田畑直樹さんは朝日新聞の取材に対し、「これまでも何度かえさを食べないことがあったが乗り越えてきた。覚悟はしていたが、もっと長生きしてほしかった」と語った

復活したマグロの群泳。マグロが水槽にぶつかるのを防ぐため、黄色いテープが格子状に貼られた

同園では15年6月と16年6月にクロマグロが追加され、現在計98匹が展示されている

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