クリント・イーストウッドがトランプ氏支持 「軟弱な時代だ。誰もが発言に細心の注意を払う」

「内心ではみんな、ポリティカルコレクトネスに媚びるのはうんざりしているんだ」

俳優、映画監督のクリント・イーストウッドは、現代はあまりにもポリティカルコレクトネス(人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること)にとらわれ過ぎていて、「軟弱な時代になった」と強く批判した。共和党の大統領候補ドナルド・トランプの人種差別的発言で気分を害したとしても、「そんなくだらないことは放っておくべきだ」と語った。

雑誌「エスクァイア」のインタビューでイーストウッドは、トランプは「いいところに気付いている」と評価し、「彼は自分の正直な気持ちを言っているだけだ」と語った。

「これは時として褒められたことじゃない」と、イーストウッドは語った。「そしてこれは時として …といっても、俺は彼の立場はわかるんだが、必ずしも同意しているわけじゃないんだ」

イーストウッドはこう説明する。

いいか、今や彼はレイシストさ。メキシコ系の判事を差別しているんだから。口にするのもバカバカしい。その判事がメキシコ人の両親から生まれたとか何とか、そんな事実に自分の偏見を被せてくるんだから。彼はバカバカしいことをたくさん言ってきた。全部バカバカしいことだよ。物事には両面がある。しかし、誰もが、というかメディアが「ああ、あのレイシスト」とか言って、災いを作り出す。そんなくだらないことは放っておけと言いたい。歴史的に見ても今は悲しくなるような時代だ。

イーストウッドはまた、ポリティカルコレクトネスにも、はっきりと異議を唱えた。

内心ではみんなポリティカルコレクトネスに媚びるのはうんざりしているんだ。俺たちは今、お世辞だらけの時代に生きている。俺たちは本当に、軟弱な時代にいるんだ。誰もが細心の注意を払っている。みんな、レイシストだとか何だとか責めているのを目にする。俺が育った時代なんて、こんなことは人種差別なんて呼ばれなかった。『グラン・トリノ』を作る時なんて、仲間までもが「これは本当にいい脚本だけど、ポリティカルコレクトネスに欠ける」なんて言ったんだ。そこで俺は、「よし、今晩読むよ」と言った。翌朝俺は、脚本を奴の机に叩き付けて言ったんだ。「これをすぐ始めるぞ」

イーストウッドは、トランプに投票しようと思っていると語ったが、これを「きつい投票だ」と言い、共和党の大統領候補として推薦しなかった。

イーストウッドは、2012年の共和党全国大会で今や語り草となっている演説をしている。彼は、誰も座っていないイスに、あたかもオバマ大統領が座っているかのように説教をした。イーストウッドは、その時の共和党候補ミット・ロムニーを賞賛した後、彼は何か違うことをしなければならないと感じていた、と説明した。

ニール・ダイヤモンドの昔の歌を聴いていたら、『そして誰一人聴いていない/その椅子に座っていさえいない』と言った。そして私は思った、それはオバマだと。彼は仕事しに行かない。彼は議会にも出席しないし、取り決めもしない。一体、彼はホワイトハウスに座っていながら、何をしているんだ?

Esquire.com」で、インタビュー全文が読める。このインタビューには息子のスコット・イーストウッドのコメントもある。

イーストウッドの次回作『ハドソン川の奇跡』は、9月に公開される。2009年1月15日、バードストライクで航空機のエンジンが停止したが、機長の機転でマンハッタンのハドソン川に不時着して乗員乗客が全員生還した事故を描いている。トム・ハンクスが、チェズレイ・サレンバーガー機長として主演する。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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