中国漁船230隻、尖閣周辺の接続水域に 「争いようのない主権を有している」

外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は「一方的な情勢のエスカレーションであり、受け入れられない」と抗議した。

尖閣諸島の接続水域に中国海警局の「海警」6隻と、その周辺に中国漁船約230隻が航行しているのを、8月6日午前8時ごろ第11管区海上保安本部(那覇市)が確認した。午後2時には海警がもう1隻入って計7隻になった。時事ドットコムなどが伝えた。

沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国海警局の船=6日午前(第11管区海上保安本部提供)

朝日新聞デジタルによると、公船4隻は機関砲のようなものを搭載していた。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は、郭燕・在日中国大使館公使に電話で公船の接続水域からの退去を求め「一方的な情勢のエスカレーションであり、受け入れられない」と抗議した。

中国外務省の華春瑩報道官はこれに対し「中国は争いようのない主権を有している」と主張。「中国は、関連する海域での事態を適切にコントロールする措置をまさにとっている。日本が現在の事態を冷静に取り扱い、情勢の緊張や複雑化を招きうるいかなる行動もとらないよう強く望む」とのコメントを出した。NHKニュースが伝えた。

現場は日本の排他的経済水域(EEZ)だが、日中漁業協定で中国漁船の漁は認められている。しかし朝日新聞デジタルによると、年間100隻規模で、公船も連日入船しているが1日3隻程度だという。同サイトは「中国側が公船の隻数を増やしたことを重くみた」との声を伝えている。

尖閣周辺では、5日にも領海に中国の公船2隻と漁船6隻が侵入し、杉山晋輔外務事務次官が中国の程永華駐日大使を外務省に呼んで抗議した。産経ニュースは「中国が公船と漁船群を尖閣海域に侵入させ、既成事実化を図っている」との見方を伝えている。

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