かつて靴を買えなかった女子陸上選手、若いランナーたちへ靴をプレゼント

少女の頃、お金がなくてランニングシューズを買うことができなかった選手が、リオ五輪に出場する。そして…

ブレンダ・マルティネス

ブレンダ・マルティネスの走りは、奥深い。

アメリカの中距離ランナーで、2013年の陸上世界選手権800mで銅メダルを獲得し、リオ五輪で女子1500mに出場するブレンダ・マルティネス(28)は少女の頃、お金がなくてランニングシューズを買うことができなかった。

「子供のとき、私の両親はお金がなくて私に新品のランニングシューズを買うことができませんでした」、マルティネスはInstagramにそう綴っている。「学校に履いていく靴が、練習用の靴でした。お父さんはクリアランスセールの棚にランニングシューズがないか、いつも探していました。世界で闘うチャンスを与えてくれたスポーツに私は今、恩返しをしています」

彼女は今、若いランナーたちに靴をプレゼントしている。

夢が始まったとき。成功するためには、何を成し遂げたいかはっきりと決め、そのための対価を払わなくてはならない。

カリフォルニア州ランチョクカモンガで生まれ育った彼女は、雑誌「ランナーズワールド」のインタビューで「5歳の頃はエネルギーに満ちあふれていた」と振り返っている。そこで、母親の友達が彼女を陸上クラブに入れてはどうかと勧めたという。母親が友人のアドバイスに従うと、クラブのコーチは、すぐにこの少女に長距離走者の才能があることを見抜いた。

「子供たちのことを尊敬し、そしてたえず考えています」。最近、#TeamNB’s @bmartrunは毎年恒例3回目になる、彼女の地元での高校生女子クロスカントリーキャンプを開きました。この少女たちは彼女のインスピレーションの源で、数時間後の#北京2015の800mトライアルのスタートラインに立つとき、彼女はこの少女たちから追加のやる気をもらうことになるでしょう。ブレンダとキャンプについて詳しくは私たちのページのバイオグラフィを参照のこと。

ランナーズワールド」によると、マルティネスはカリフォルニア州立大学リバーサイドに在学中も走り続け、3度全米代表に選ばれた。

大学では、スターランナーだった夫のカルロス・ハンドラーにも出会った。

When you believe, anything is possible. #teamNB #NBwomen #girlsrunthistown #alwaysinbeta

BRENDA MARTINEZさん(@bmartrun)が投稿した写真 -

地元紙「オレンジカウンティレジスター」によると、大学在学中の華々しい成績に関わらず、カリフォルニア州立大学リバーサイドを卒業した時には、2つの有名なトレーニンググループに参加を申し込んだが、認められなかったという。卒業後もランニングキャリアを積むという彼女の夢は一時中断したが、それでも彼女はあきらめなかった。

夫のハンドラーは、生活を支えるために選手生活をあきらめた。

「自分のことばかり考えていられませんでしたし、ブレンダならやれると信じていましたから」と、ハンドラーはレジスターに語った。

夫婦にとって試練のときだった。

「家賃は滞納していて、買い物はいつも99セントストアでしていました」と、マルティネスは陸上専門メディア「Competitor.com」に語った。「カルロスは清掃とか、いろいろ細々な仕事をしました。生きるために、できることは何でもやっていました」。

やがてマルティネスはスポンサー契約を結び、夫婦はジョー・ヴィジルを紹介された。マルティネスの才能を信じ、彼女のコーチになることを申し出た、伝説のコーチだ。「Competitor.com」によると、ヴィジルのサポートで、マルティネスは2013年の世界選手権800mで銅メダルを獲得した。

何かすばらしいものから拒絶されていると思ったときはいつも、実はもっとすばらしいものへ導かれていたのです!私に賭けてくれてありがとう、ヴィジルコーチ!

2016年のオリンピック予選に、マルティネスは800mと1500mの2種目でエントリーした。

800mのレースでは、他の選手が転倒し、その足がマルティネスの足に絡まった。彼女は転ばなかったものの、そのときよろめいたため勢いを失い、800m代表の座を逃した。

しかし7月10日の1500m予選では、彼女はコンマ何秒の差で写真判定となった末、アマンダ・エクレストンを破り代表となった

The joy of making an Olympic team #roadtorio #olympics #tracktown16 @nbrunning @newbalanceus @newbalance

James Carneyさん(@jamescarney24)が投稿した写真 -

アメリカオリンピックチームの一員になれて、わくわくしている。

粘り強いだけではなく、マルティネスは美しい心を持っている。

陸上ニュースサイト「FLOTRACK」のインタビューで、マルティネスは4年間にわたって、10〜12人の高校生女子ランナーのために毎年恒例のサマーキャンプを開いている、と語っている

キャンプは毎日のランニングトレーニング、自信の植え付け方、健康的な生活、ポジティブシンキングのクリニックセッションが含まれる。

マルティネスとハンドラーが食費を含む費用全額を負担し、参加者が夫婦が住むカリフォルニア州ビッグベアレイクに到着したら、夫婦自ら少女たちを迎えにいく。

2015年のキャンプ参加者たちとすばらしい時間を過ごしています。人生における最大のギフトは友情。この子たちからそれを受け取りました!

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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