在特会と桜井誠・元会長に賠償命令 ネット上のヘイトスピーチ「人種差別」と認定

発言が「在日朝鮮人への差別を助長、増幅させる意図で行われた」と認めた。
Taichiro Yoshino

ネット上の民族差別発言で精神的苦痛を受けたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と、元会長の桜井誠(本名・高田誠)氏に対し、フリーライターで在日韓国人の李信恵(リ・シネ)さん(45)が計550万円の損害賠償を求めていた裁判で、一審・大阪地裁の増森珠美裁判長は9月27日、人格権の侵害を認め、在特会側に計77万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

産経WESTによると、判決は在特会を「在日朝鮮人を日本から排斥することを目的に活動する団体」と認め、会長だった桜井氏の発言が「在日朝鮮人への差別を助長、増幅させる意図で行われた」として、日本が加入する人種差別撤廃条約に違反すると認定した。

判決理由で増森裁判長は、在特会会長だった桜井氏がネット動画やツイッターで、李さんのことを「朝鮮ババア」「差別の当たり屋」などと表現し、名前とかけて「ドブエ」と連呼したと指摘。「社会通念上許される限度を超える侮辱行為で、原告の人格権を侵害した」と批判した。

在特会のネット上のヘイトスピーチ、「人種差別」と認定 大阪地裁 - 産経WESTより 2016.9.27 15:38)

民族差別発言で「在日特権を許さない市民の会」(在特会)側に損害賠償を命じた判決を受け、記者会見に臨む原告の李信恵さん=27日、大阪市北区

時事通信によると、記者会見した李さんは「民族差別と認められたことは本当にうれしい。小さな勝利かもしれないが、積み重ねていきたい」と話した。一方で在特会側は「在特会に対する社会的偏見に基づく一方的な判決で不当。控訴を検討中」とコメントを出したという。

李さんは、まとめサイト「保守速報」に対しても、「朝鮮半島に帰れ」といった書き込みをまとめたブログ記事を掲載したとして2200万円の損害賠償を求めて裁判で争っている

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