「無関心が人々を殺している」リビア沖で6055人の難民らを救助

2013年10月3日にイタリア南部のランペドゥーサ島沖で難民船が火災により沈没し、360人以上が死亡した事故から、3年が経過した。
ARIS MESSINIS/AFP/Getty Images

イタリアの沿岸警備隊は10月3日、北アフリカからイタリアを目指していた難民・移民が乗るゴムボートなどの船39隻を地中海で救助、同日に6055人を救助したと発表した。妊婦を含む9人の遺体も発見された。AFP通信などが報じた。

救助活動はリビアの首都・トリポリから約50キロメートル北の場所で行われたという。簡素なゴムボートなどには、多数のアフリカ出身とみられる難民がすし詰め状態で乗り込んでいた。ボートに乗っていた女性191人のうち、少なくとも10人は妊娠中だったという。

2013年10月3日にイタリア南部のランペドゥーサ島沖で難民船が火災により沈没し、366人が死亡した事故から3年が経過したことを機にNGO団体などを含む大規模な救助活動が行われた。

AFP通信によると、事故以来状況は全く変化しておらず、2016年にイタリア南部の港にたどり着いた難民・移民は9月末までに約13万2000人にのぼる。その一方で、事故以来の3年間で少なくとも1万1000人の難民が地中海を渡ろうとして命を落としたという。

3年前の事故で救助活動に加わったイタリア赤十字社代表のフランチェスコ・ロッカ氏は「無関心が人々を殺している」と訴えていると伝えている。

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