政府批判で懲役16年 イランの女性人権活動家の解放を求める声がネット上で広がる

「ナーゲスは無実です。多くの人が彼女のために涙を流しています」

ナーゲス・モハンマディ氏は自身が行った人権活動のため、イラン政府によって懲役16年を言い渡された。

イランの人権活動家でジャーナリストのナーゲス・モハンマディ氏は、イランで若い犯罪者の死刑廃止運動をするなど、これまでの人権活動で数々の賞を受賞し、世界中で称賛されてきた。しかし44歳で2人の子供の母親のモハンマディ氏は政府に抗議したという理由だけで懲役6年を言い渡され、これまでを獄中で過ごしてきた

現在、モハンマディ氏は筋力が低下する疾患にかかっており、5月には、彼女の人権活動が国家の安全保障関連法に違反したという理由でさらに16年の懲役を言い渡された。

多くのイラン国民が国連、人権運動団体と共に、モハンマディ氏の解放を求めて活動している。

イランではここ数年、活動家やジャーナリスト、改革派が数多く逮捕され、政府を批判する言論人を弾圧していることから、国連や国際人権団体から厳しく非難されている。イギリス政府は2015年、モハンマディ氏が逮捕され投獄されたことは「イラン政府が勇敢な人権活動家を黙らせようとする悲劇の1つ」と非難した。

国際人権活動団体「アムネスティ・インターナショナル」はモハンマディ氏の逮捕と、懲役16年の判決は、イランの「虐待的な」司法システムによる、表現の自由に対する「全面攻撃」と厳しく批判している。

アムネスティ・インターナショナル中東・北アフリカ部長のフィリップ・ルーサー氏は「ナーゲス・モハンマディ氏の投獄は、イランが国家の安全保障への違反という曖昧な理由を使って、表現の自由を弾圧している恐ろしい例だ」と述べた。「モハンマディ氏が、自身が行った人権活動に関して不当に裁かれているのは間違いない」

イランの活動家でジャーナリストでもあるマシフ・アリネジャド氏は、イランの強制的で隠蔽的な法律に異を唱え、自身のオンライン運動「マイ・ステルシー・フリーダム」でモハンマディ氏の解放を呼びかけた。多くの人たちがモハンマディ氏と似たようなポーズで、手のひらに「Free Narges(ナーゲスを解放して)」というメッセージを書いた自分たちの写真をSNSでシェアしている。

「ナーゲスは無実です。多くの人が彼女のために涙を流しています」と 、アリネジャド氏はハフポストUS版に語った。「ナーゲスを解放したい。そしてそれこそが、イラン政府や国際社会の関心を引くことのできる唯一の方法なのです」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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イラン人女性の密かな自由

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