PPAPのピコ太郎、何が世界のハートをつかんだの? 外国人記者に聞いた

何が、世界の人々の心をつかんだのだろうか?

「ペンパイナッポーアッポーペン」(PPAP)の動画が世界的にヒットしているシンガーソングライター、ピコ太郎さん。10月28日に東京・日本外国特派員協会であった記者会見は、国内外の報道関係者が約150人詰めかけた

日本外国特派員協会でカメラマンに囲まれるピコ太郎さん

「香港から今朝の飛行機で飛んできました。ワールドツアーをやったら、大勢のお客さんが詰めかけると思います」といった質問が出るなど、海外での関心の高さを示していた。

英語では伝わらないギャグに戸惑う場面も。世界的にブレイクした感想を、ピコ太郎さんは「驚き桃の木20世紀でございます」と話し、通訳が「Like a peach tree(桃の木のようだ)」と訳すと、会場の外国人記者は固まった。しかし「世界中の人に言いたいのは、本当に、ありが玉置浩二」という発言を、通訳が「Arigato, or Ariga-Tamaki-Koji」とそのまま訳すと、なぜか英訳のタイミングでも笑いが起きていた。

「昨日まではほぼ白髪だったんですが、自力で真っ黒になりました」というギャグの通訳後は会場が静まりかえり「すべって…おりますが」と自己フォローを入れざるを得ない羽目に。しかし「ミラクルが2万回ぐらい起こった。ミリオンミラクルです…ミリオンっていくつでしたっけ」と言うと笑いも飛んでいた。

「首相官邸からまだ連絡はないんですか?」と聞かれ「私、知らない番号には出ないようにしております。留守電聞いてみます」と答えると、会見場は爆笑、拍手が起こった。

動画の総再生回数は全世界で4億5000万回を超えたという「ペンパイナッポーアッポーペン」。過去に何人もの日本の有名歌手が世界進出を狙って果たせなかったが、ピコ太郎さんは何が、世界の人々の心をつかんだのだろうか?

記者会見の会場にいた外国人記者に聞いてみた。

■イギリス出身、日本在住35年のフリージャーナリスト、キャロライン・パーソンズさん(57)

素敵なのは、とにかくハッピーになれることね。それにリディキュラス(バカバカしい)。だれでも楽しい気分になれるのが魅力だわ。

彼はナイス・アンバサダー(日本を海外に紹介する、いい大使)。硬い感じじゃなくて、日本のよさを45秒で伝えてくれることは素晴らしいと思う。私も35年、日本に住んでいて、日本のいいところもたくさん知っているし、もっと世界に伝えたい。来るべきタイミングで来たんだと思うわ。

■EFE通信(スペイン)のマリア・ロルダンさん(28)

スペインでもピコ太郎は有名ですよ。「ブエナフエンテ」という、とても人気のあるテレビ番組で、「ペンパイナッポーアッポーペン」を真似して、パロディーをやっているから。

個人的な感想は、何かヘンだし、おかしい。だけど彼はインターネットのプロだと思う。テクノの要素を取り入れて面白い音楽をつくっているし、短い曲で、ただ歌うだけでも、真似するのもやりやすい。パロディーがつくりやすいので、ものすごい可能性を秘めている曲だと思います。

■イタル・タス通信(ロシア)のベリャーエフ・イゴリさん(29)

インパクトが大きい。大事なのは、短くて一気に見られるところだよね。長かったら「面倒くさい」と思う人も多いけど、一瞬で分かること。あの口ひげ、格好、ノリノリな音楽。一瞬で「ワオ―、面白い!」と思う。

ロシアでいちばん有名な日本人? そりゃもちろん安倍首相でしょ。あとSMAPとか、アユミ・ハマサキ、GACKTかな。ネットでは日本のCMが面白くて人気あるけど、今は高校生以上の幅広い年齢層の人が、YouTubeで見たピコ太郎を真似している。ここまで日本の動画が人気になったことないよね。

【訂正】イタル・タス通信の記者の名前は、ベリャーエフ・イゴソさんと表記していましたが、正確にはベリャーエフ・イゴリさんです。訂正いたします。(2016/10/29 23:58)

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