時宗法主が運転免許を返納 97歳、相次ぐ高齢者の事故受けて

相次ぐ高齢ドライバーの交通事故を受け、74代目時宗法主で、神奈川県藤沢市にある清浄光寺(遊行寺)の他阿真円上人(97)が15日、神奈川県警藤沢署を訪れて運転免許証を返納した。

高齢ドライバーによる交通事故が相次ぐなか、74代目時宗法主で、神奈川県藤沢市にある清浄光寺(遊行寺)の他阿真円(たあしんえん)上人(97)が11月15日、県警藤沢署を訪れ、運転免許証を自主返納した。時事ドットコムなどが報じた。

その後、同署で交通安全講話も行い、高齢者に「事故を起こしたら最後。免許を返納して、寿命を全うしてほしい」と呼び掛けた。

他阿上人は「100歳まで免許を持ちたいと思っていた」といい、最近まで免許の更新を考えていたと語った。しかし、横浜市で87歳の男が運転する軽トラックが集団登校中の小学生の列に突っ込むなど、全国で高齢者の事故が相次いでいることを受け、「安全運転のつもりでも、自分も事故を起こすかもしれない」と考え、返納を決意したという。

97歳時宗法主が免許返納=高齢者に交通安全講話-神奈川:時事ドットコムより 2016/11/15 16:33)

他阿真円上人は、一遍上人から数えて74代目の時宗法主に当たる。上人は1959年に運転免許を取得。数年前までは車を運転しており、健康維持のため、毎日8000歩を目標に境内の裏山を散歩していた。現在も頻繁に外出し、町の人々と交流しているという。

朝日新聞デジタルが警察庁への取材として伝えたところ、全国で約1700万人いる65歳以上の免許保有者のうち、2015年の返納者は約27万人。15年は75歳以上の約163万人が免許更新時に認知機能検査を受け、約5万4000人が「記憶力、判断力が低い」と判断されたという。

17年3月に施行される改正道路交通法では、75歳以上を対象にした検査で「認知症のおそれがある」と判断された場合には、医師の診断を義務づけるなど、認知症検査の態勢が強化される

注目記事