バーニー・サンダース氏が民主党の執行部入り リベラル派を登用した意図は?

サンダース氏は、予算委員会で民主党代表の役割を果たすことになる。

バーニー・サンダース氏(左)とエリザベス・ウォーレン氏(右)

アメリカの民主党上院は11月16日、新執行部の人事を発表し、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州、無所属)とエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)が執行部入りすることになった。

サンダース上院議員は民主党の議員総会で討議しており、新設された「アウトリーチ(有権者対策)委員長」に指名された。ウォーレン上院議員は既に執行部の一員だったが、副委員長に昇格した。

退任するハリー・リード上院院内総務に代わり、チャック・シューマー上院議員(ニューヨーク州)が民主党上院のトップとなる。

しかし、上院の民主党議員は48人で、執行部は10人おり、メンバー全員を執行部に指名するのは無理がある。水曜日に新たなチャック・シューマー新上院院内総務は、さらに3つの役職を加えて、執行部を拡大することを決定した。その理由として、シューマー氏は「我が党、そして我が国の異なった派閥でも連携できることを示すためのものだ。この執行部はイデオロギー的にも、地理的にも多様性に富んでいる」と語った。

「私たちは、経済のシステムを戻すより明確で力強い政策を必要としている。多くの人が、今の経済システムは不公平だと感じている」とシューマー上院議員は述べた。

サンダース氏はこの数年、執行部の地位を求めて、大統領選に立候補しようという考えはほとんどなかった。15日夜、サンダース氏はシューマー氏の後任となる政策コミュニケーション委員会(DPCC)の委員長を務めたいかと尋ねられた時、「DPCCって何だ?」と尋ね返した(DPCC委員長は、ミシガン州のデビー・スタベナウ上院議員が委員長を務めることになっている。)

シューマー氏は2014年、反ウォール街のウォーレン氏の昇格に対してバランスを保つために、穏健派のマーク・ワーナー上院議員(バージニア州、民主)を執行部に加えた。これと同時にシューマー氏は、ウォーレン氏を「リベラル派の連絡調整役」として昇格させた。これはウォーレン氏の存在価値を下げるとみられ、サンダース氏に与えられた地位と重複してしまう。

サンダース氏はまた、予算委員会で民主党代表の役割を果たすことになる。

「重大な責任を負うことになった」と、サンダース氏は報道陣に述べた。「これはアメリカ政府の最優先事項を具体化させることになる。議会が決める予算を、大金持ちではなく、勤労者世帯や逼迫している中流階級のニーズに応えた予算にするために、できる限りのことをやる」

ディック・ダービン上院議員(イリノイ州)は院内総務の二番手となる院内幹事に留任する。パティー・マレー上院議員(ワシントン州)は院内総務の側近として、シューマー氏のもと、党内No.3の地位に就く。

今回の穏健派とリベラル派が融合したラインナップは、シューマー新院内総務が、大統領選でサンダース氏が主張した進歩的な政策の全てを実行したいとは考えていないことを示す。シューマー氏は支持基盤の民主党員の有権者とドナルド・トランプ次期大統領の共和党を見捨てたアメリカ人にアピールするような政策だけを選び取るとみられる。

「民主党は自分たちの進路を決定した。アメリカ国民にこう申し上げたい。私たちは共和党と協力し、そして抵抗する準備ができている。もうすぐ大統領となるトランプ氏と、私たちが同意できる政策に関しては共に取り組むが、私たちが創造した価値や成し遂げた前進が危機にさらされれば、次期大統領と相対するつもりだ」と、シューマー新院内総務は語った。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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