大統領の「陰の実力者」一族にそっくり? 韓国ドラマに描かれた偶然すぎる一致点

脚本家はインタビューで…
「密会」公式サイトより

韓国・朴槿恵大統領の「陰の実力者」崔順実(チェ・スンシル)被告の娘・チョン・ユラ氏は、名門の梨花女子大学に入学し、出席や単位で特別扱いされていた。チョン・ユラ氏はほとんど出席せずに、ブログをコピーしたレポートを提出しても、当時の担当教授は単位を与えたという。

このような中、やはり親のおかげで名門大学に入ってほとんど出席しなかったのに、除籍されなかった学生のドラマが話題だ。キム・ヒエとユ・アインが主役を演じた2014年のドラマ「密会」。その脇役は、役名も「チョン・ユラ」で一致していた。

放送したのは、朴槿恵大統領や崔順実氏の疑惑で様々なスクープを連発してきたテレビ局「JTBC」だった。韓国では「実は最初から知っていたのでは」と話題になった。

ピアニストのチン・ボラが演じたドラマのチョン・ユラを、実際のチョン・ユラ氏と比較してみよう。

1. 入試

チョン・ユラは幼い頃からピアノを学んだ。学んだだけで、大学に入るほどの実力ではない。ところが、チョン・ユラの母は「ペク先生」と呼ばれる「投資アナリスト」、いや、金の流れを読む占師だ。ペク先生はハン・ソンスク(シム・ヘジン)の投資顧問だ。ハン・ソンスクはソハングループのソ・ピルウォン会長の後妻であり、ソハン芸術財団の理事長として、ソハン大学音楽学部の運営にも莫大な権力を持っている。教授たちの間では、「ペク先生はハン・ソンスクのお得意様」として知られている。

チョン・ユラの入学を巡って話し合うソハン大学音楽学部の教授

とにかく、チョン・ユラは、カン・ジュンヒョン(パク・ヒョックォン)が見ても不安な生徒だ。実力があまりにもなかったからだ。しかし、ペク先生の頼みを受けたハン・ソンスクのために、音楽学部の教授たちは、チョン・ユラを入学させる。カン・ジュンヒョンはチョン・ユラの入試のために、後輩の教授にレッスンをさせたが、この後輩教授も「あんまりですよ。あんな子をどうやって…」と腹を立てる。しかし、それでもチョン・ユラは大学に入学する。

実際のチョン・ユラ氏も入試で特別扱いされた疑惑がある。梨花女子大学の教授協議会は、総長に送った文書で「2014年のチョン・ユラ氏がアジア大会の乗馬団体で金メダルを獲得したのは、スポーツ推薦の願書提出の締切後だったのに入試の点数に反映されるのか、面接でチョン・ユラ氏が入試規則に反して金メダルと選手服を着用した点、入試責任者が面接委員に『金メダルを持ってきた学生を選べ』と迫った点」について説明を求めた。

2. 学校生活

ところが、そうやって入学したチョン・ユラが、まともに学生生活を送れるはずがない。ドラマの台詞でチョン・ユラは「私はピアノでもなくチェロでもない」と言う。

実際のチョン・ユラ氏は「乗馬」という、それなりの技術もあったし、乗馬の上達のためにKスポーツ財団の支援を受け、ドイツで家を買って合宿もしたが、「密会」のチョン・ユラはそんな気もなかった。ドラマの中のチョン・ユラが学校に興味を持つ瞬間は、ソンジェ(ユ・アイン)を見てからだ。

3. 単位の特別扱い

学校もろくに通っていない娘を心配したペク先生は、ピアノ専攻のカン・ジュンヒョン教授ではなく、器楽科のキム・インジュ教授(ヤン・ミンヨン)に高級美容院で面会する。キム・インジュ教授は、自分は専攻の教授ではないのでチョン・ユラに単位を与えられないという。「気にしないで下さい。合奏がうまくできない子たちもいるんですよ。私はまあ専攻も違うし、課題を提出して出席さえすれば落第させることはありません」

チョン・ユラの単位について話すペク先生とキム・インジュ教授

ペク先生はこう答えている。「それすらもしないから、わざわざ教授にお目にかかっているんです」。この時キム・インジュ教授は、特別扱いできる方法をこっそり教える。「これ以上はできません。私の方に転科しない限り」。ペク先生は、チョン・ユラが中学までチェロを習っていたと教授に答える。また一言。「収益率を確認されますでしょう?」占師で投資アナリストのペク先生は、娘のためにキム・インジュ教授にも投資アドバイスをしたのだ。

「ハンギョレ」の報道によると、実際のチョン・ユラ氏の場合、母親の崔順実被告が指導教授に抗議すると、指導教授がすぐに変わったという。

さらに、第3回では、ピアノ科の実技試験の受験番号が登場するが、こうなっていた

124 イ・ソンジェ(ユ・アイン)

125 チョン・ユラ(チン・ボラ)

実際のチョン・ユラ氏は、新興宗教団体「大韓救国宣教会」総裁の崔太敏(チェ・テミン)牧師の孫に当たる。

脚本を担当したチョン・ソンジュ氏は「スポーツ朝鮮」とのインタビューで「偶然の一致」と答えている。「この問題であえて明らかにすることはない。不要な拡大再生産をしないでほしい。書くことに集中したい」

ハフィントンポスト韓国版に掲載されたものを翻訳、加筆しました。

注目記事