何て素敵な瞬間なんだ。
この世界にも、私たちにも、こういう話が必要だ。
アフガニスタンに、ムルタザ・アフマディ君という少年が住んでいる。この6歳の男の子は、リーガ・エスパニョーラのFCバルセロナでプレイし、世界で唯一FIFAバロンドールを5回受賞したアルゼンチンのスタープレーヤー、リオネル・メッシの大ファンだ。
2016年1月、アフマディ君が自作したアルゼンチンのメッシのユニフォームを着ている写真がネット上で話題になった。アフマディ君はポリ袋でこのユニフォームを作った。この子の創意工夫の才能もたいしたものだ。
1月29日に撮影した写真。この時から、ポリ袋のユニフォームを着たアフマディ君がネット上で話題になった。
このポリ袋のユニフォームを着たアフマディ君の話題はどんどん大きくなった。そしてメッシはUNICEFを通じて、アフマディ君に自分のサイン入りのユニフォームを送った。メッシも大したプレーヤーだ。
アフマディ君「うん、ここにメッシがサインしてくれたんだ」アフマディ君は2月にこの写真をアフガニスタンで撮影した時、まだ5歳だった。
しかし、アフマディ君にはこれ以上のプレゼントが待っていた。12月13日、メッシが所属するFCバルセロナはカタールで親善試合を行った。FCバルセロナはカタール航空がスポンサーとして参入しており、今回の対戦相手は地元チームのアル・アハリ・ドバイだった。この親善試合は2022年FIFAワールドカップカタール大会の運営委員会が企画したものだ。
ビッグネームが名を連ねるこの試合に、アフマディ君が呼ばれることになった。アフマディ君と家族はカタールの「Supreme Committee for Delivery & Legacy」という慈善団体の援助を受け、飛行機でカタールにやってきた。
そして素晴らしい瞬間はまだ続く。
可愛いかったのは、セレモニーが終わった後も、アフマディ君がなかなかピッチを離れようとしなかったことだ。おいおい、この子はメッシに会いに遠くからはるばるやって来たんだ。ピッチの中でもうちょっとだけメッシの近くにいさせてやってもいいじゃないか?
メッシ「ピッチの外に出てもらっていいかな。もうすぐ試合が始まるんだ」
そして最後にはアフマディ君はレフリーたちに連れられ、ピッチから出ることになった。
この試合の結果は5-3でFCバルセロナが勝ち、そしてメッシも得点を決めることができた。しかし我々にとって重要なのは、今回、皮肉に満ちた世の中で、人間らしい思いやりが勝利を収めたことだった。
ハフィントンポスト・オーストラリア版より翻訳・加筆しました。
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