教会銃乱射事件、黒人9人を殺害した白人の被告に有罪評決 量刑は死刑か終身刑

「俺は有罪だよ。誰が見たって有罪だ」

アメリカ・サウスカロライナ州チャールストンの教会で2015年6月17日、黒人の男女9人を殺害した銃乱射事件で、サウスカロライナ州の連邦裁判所の陪審は12月15日、ディラン・ルーフ被告に有罪評決を言い渡した。

ルーフ被告は連邦検察からヘイトクライム(憎悪犯罪)、信教の自由に対する妨害など33の罪で起訴されていた。

当時21歳だった白人のルーフ被告は、黒人の信徒が集まる「エマニュエル・アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会」(通称「マザー・エマニュエル」)で聖書勉強会が開かれていたとき、教会内に足を踏み入れた。信者たちが集まっている席に着席してから、銃を取り出し、突然銃を乱射した。

ルーフ被告に殺害されたのは、シンシア・ハードさん、エセル・ランスさん、スージー・ジャクソンさん、ダニエル・シモンズさん、タイワンガ・サンダースさん、シャロンダ・コールマン=シングルトンさん、デパイン・ミドルトン=ドクターさん、マイラ・トンプソンさん、そして当時教会の牧師を務めていたクレメンタ・ピンクニーさんだった。

逮捕後、ルーフ被告はFBI捜査官と2時間言葉を交わしたが、その間「俺は有罪だよ。誰が見たって有罪だ」と語っていた

陪審員用に流された映像の中で、ルーフ被告が捜査官に対して語っている様子が出た。自分が事件を起こしたのは、黒人男性が毎日白人女性をレイプしており、白人は二級市民になってしまったからだ、などと動機を語っていた

ルーフは事件発生時、72歳になる元看護師ポリー・シェパードさんには危害を与えなかった。

「私は声に出して祈っていました」と、シェパードさんは法廷で声をふるわせながら証言した。「黙れと言われました」

ルーフ被告は銃弾が当たったかどうか聞き、シェパードさんに「命を助けてやるから、お前がみんなに、ここで起きたことを話せ」と言った。

共和党のティム・スコット上院議員は15日午後声明を出し、ルーフ被告を「邪悪な男」と呼んだ。

「殺人鬼は現在量刑手続きを待っている段階です。被害者の家族のみなさんに1つ忘れてほしくないことがあります。我々は今も、みなさんと同じ思いです」と、スコット議員は声明文で述べた。

サウスカロライナ州のニッキー・ヘイリー知事も15日、銃乱射事件で愛する人を失った家族に対して、哀悼の意を表した。

私の願いは、正義が下され、生存者、犠牲者家族、サウスカロライナ州民に何らかの心の平安が訪れることです。

「マザー・エマニュエル」は人種差別が原因でメソジスト教会を追われた黒人たちにより1816年に設立されたが、ここもまた差別の被害に遭い続けてきた歴史がある。1822年には白人至上主義者が放火して全焼し、1834年には地元の法律で黒人教会が禁止となり、信者は秘密裏に集まるしかなくなった。

困難をものともせず、この教会は何度も立ち直ってきている。事件から1年後の2016年6月には、聖書勉強会と礼拝が行われた。亡くなったピンクニー牧師の幼なじみでチャールストンにある「シオンの山アメリカン・メソジスト・エピスコパル教会」のカイロン・ミドルトン牧師が司会を務めた。ミドルトン牧師は、ルーフ被告の家族も含め、惨劇で傷を負った全ての家族のために、祈りを捧げた。

カイロン・ミドルトン牧師

陪審団は1月3日に再招集され、ルーフ被告が死刑か終身刑になるかの判決を下すことになる。ルーフ被告は裁判の量刑言い渡しの段階で、再び動画中継で出廷する予定だ。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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Charleston Shooting

チャールストン 銃乱射事件

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