潘基文・国連事務総長、韓国大統領選に事実上の出馬宣言 「我が身を惜しまない」

2017年に実施される韓国の次期大統領選をにらんだ動きが、慌ただしくなってきた。
UN HEADQUARTERS, NEW YORK, NY, UNITED STATES - 2016/12/16: United Nations Secretary-General Ban Ki-moon holds an 'end-of-term' press briefing at UN Headquarters. The press briefing, occurring at the conclusion the same week that saw the swearing in of Ban Ki-moon's successor Antonio Guterres, is the final official press event of the Secretary-General's 10-year tenure. (Photo by Albin Lohr-Jones/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)
UN HEADQUARTERS, NEW YORK, NY, UNITED STATES - 2016/12/16: United Nations Secretary-General Ban Ki-moon holds an 'end-of-term' press briefing at UN Headquarters. The press briefing, occurring at the conclusion the same week that saw the swearing in of Ban Ki-moon's successor Antonio Guterres, is the final official press event of the Secretary-General's 10-year tenure. (Photo by Albin Lohr-Jones/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)
Pacific Press via Getty Images

2017年に実施される韓国の次期大統領選をにらんだ動きが、慌ただしくなってきた。

2016年末で任期満了を迎える潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、ニューヨークの国連本部で12月20日(現地時間)、韓国記者団との最後の会見で、「私が10年間、国連事務総長を務めながら、学び、見て、感じたことが韓国の発展に役立つなら、この身を焼いてでも努力する用意がある」と述べた。

潘氏は「政治というものは単独でできるものではない」として、2017年の大統領選挙を控え、他の政治家と連携する可能性を残しながら、「政治の指導者たちは、自分自身を捨てなければならない」と主張した。「政党は国民不在、国家不在で派閥を重視する。何の意味があるのか私には分からない」と、政策よりも有力政治家を中心に派閥や政党が作られる韓国政界を批判した。

潘氏は「今後どのような方法で、何に貢献できるかについて、深く悩みながら考えている」と、大統領選挙への出馬は明言しなかった。しかし、これまでになく強い口調での発言は、事実上、大統領選挙に出馬を宣言したと受け止められている。

また「帰国後、各界の国民に会って話を聞いて決める」「国民の皆さんの意思が最も重要だ」と述べ、「微力だが、国家の発展のため、国民の福利厚生の増進のために私の経験が必要な場合は、我が身を惜しまない用意がある」として「73歳だが健康である限り、国のために努力する用意がある」とも強調した。

与党・セヌリ党への入党の可能性について問われると「政治というものは単独で行うことができるものではない。いくつかの手段と展望がなければならない。しかし、深く考えてみたい」と明言を避けた。

潘氏は、大統領の知人女性・崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入や財団を巡る不正疑惑など、いわゆる「崔順実ゲート」と朴槿恵大統領の弾劾訴追、そして国民が大統領の辞任を求めたろうそく集会については、「国民が善政(good governance)の欠乏に怒りと不満を感じている。システムの欠陥、指導力の欠陥から来るものと考えている」と分析した。「国民がろうそくを掲げて政権に抗議することが韓国で起きたとは、私はかなり恥ずかしい」として「帰国するが、かなり惨憺たる心情であり、気が重い」と吐露した。

続いて「いくつかの旧弊が赤裸々に明らかになったので、各界人士が集まって率直に検討して修正しなければならない」と述べ、自分はどんな階層の人でも時間や場所を選ばずに会うと明らかにした。

潘氏は、盧武鉉政権で外交通商相を務めたが、セヌリ党の親朴(親・朴槿恵)陣営から水面下で支援を受けていることが明らかになった。親盧(親・盧武鉉)の人々から「盧武鉉大統領を裏切った」と批判されることについて「政治的な攻撃だ」と反論した。彼は「私は一生住み裏切りという話を聞いたことがない」とし「人格を冒涜するにもほどがある。到底受け入れられない」と語気を強めた。盧武鉉大統領の墓地を2011年に参拝したことを明らかにしたほか、「マスコミにあまり報道されないが、私はソウルに行くときや、毎年1月初旬には、いつも故・盧武鉉大統領の夫人に電話をする」と説明した。

2017年1月中旬に帰国することを明らかにし、「まず黄教安・大統領権限代行を表敬訪問し、帰国報告をしたい」と話した。

ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳しました。

■セヌリ党分裂、過半数なき4党体制に

朴槿恵大統領を支えてきたセヌリ党から、朴大統領と距離を置く「非朴系」の35人が21日、離党を宣言した。27日に離党し、新党を結成する。

韓国の政界は国会の定数300に、いずれも過半数に達しない主要4党が並び立つ構図となる。2017年に実施される大統領選をにらんだ合従連衡や、政界再編が加速すると予想される。

この日、離党を宣言したのは、非朴系の金武星(キム・ムソン)・元セヌリ党代表や、セヌリ党重鎮の劉承旼(ユ・スンミン)議員ら。金氏は記者会見で「新たな道を行く前に国民に許しを乞わなければならない。朴槿恵大統領の『不通』(コミュニケーション不全)政治は憲法を踏みにじり、弾劾という国家的な不幸を招いた。セヌリ党は朴槿恵大統領の私的党派に成り下がり、国民と党員ら同志の皆さんを失望させた」と批判した。

朴槿恵大統領の弾劾訴追可決を受け、セヌリ党は党執行部を刷新したが、12月9日に新代表に選ばれたのは朴大統領に近い「親朴系」の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)議員だった。次期大統領選の候補者選びで主導権を得られないとみた「非朴系」が、他党との連携も視野に、党分裂に至ったとみられる。

ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳・編集しました。

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