南アフリカは、なぜ深刻な水不足に悩まされ続けているのか?

南アフリカの中流階級にとって、水不足はちょっと困ったことくらいにしか感じないようだ。

2015年、南アフリカ共和国は観測史上最も雨が少なかった。特に南東部のクワズール・ナタール州は最も深刻な被害を受けており、2つの主要なダムが30年ぶりの低水位となった。

「干ばつ」とは正確には何のことだろうか? 南アフリカのジャーナリズム検証サイト「アフリカチェック」の基準によると、2016年8月までに、9つの州のうち8つが干ばつ災害地域に指定された。

2016年を通してレベル1と2の断水があり、郊外では多くの地域が断続的に水道が止まった。

しかし南アフリカの中流階級にとって、水不足はちょっと困ったことくらいにしか感じないようだ。

ツワネ市は、断水計画を適切に管理しなかった責任を完全にとらなければならない。事前の通知はなかった。3日目だが一部地域はまだ乾燥している。

南アフリカの多くの人々は、水資源がどのように分配されているかまだ理解していないようで、大雨が数日続けば断水が終わると期待している

洪水を引き起こすほどのすごい大雨だったのだから、南アフリカの行為は偽善だ。今朝、気づいたら断水している。

しかしこのようにはいかない。南アフリカに水を供給するダムの水位はいまだに非常に低いので、数日間の雨だけでは、水を満たすには程遠い。

南アフリカの干ばつの原因とみなされているのは、気候変動と、海水温の上昇により地球規模の異常気象を引き起こしてアフリカ南部の雨を減らすエルニーニョ現象だ。

科学者で水の専門家であるフリーステイト大学のアンソニー・タートン教授はハフィントンポスト南アフリカ版の取材に、「2004年に水・環境省が作成した「国家水資源戦略2013(NWRS2)」によると、政府は南アフリカの水問題が深刻化していることを2013年から認識していた」と語った。

南アフリカ安全保障研究所(ISS)はタートン教授の見解に同意しているようだ。政府の報告書「アフリカの未来2013」でも、以前から水の危機を認識している。

「NWRS2で設定された政策は、南アフリカが直面している水の問題に対処する上で不十分なのは明らかだ。需要と供給のギャップを2035年までに埋めるための政策を今導入したとしても、今後20年間は水を過剰に使用し続けることになるだろう」と報告書には書かれている。

しかし、雨不足とこれまでの水問題を理由にした対策だけでは問題解決はおぼつかない。政府は古い鉱山地域から汚染水が流出する酸性鉱山排水問題(AMD)にも対処しなければならない。この水を飲用にしたり、農業で安全に使うには、脱塩処理で水から無機物や塩類を取り除く必要がある。当局、特にハウテン州は2002年以降この問題の緊急性に気づいていたが、ノンブラ・モコニャネ水大臣は、ようやく2016年5月になってようやく酸性坑廃水の長期的な解決策を立ち上げた。

深刻な水不足をもたらしている理由はまだある。大幅に遅れているレソト高地水資源プロジェクト(LHWP)だ。このプロジェクトは第2段階で、山地のレソト王国をハウテン州とつないで、より多くの水を供給しようしている。2010年に2カ国間で協定が調印されたが、まだ発効していない。

このプロジェクトは、モコニャネ大臣がプロジェクトの契約で不正を働いた疑惑があり、2025年までは次の段階が完了しない見込みだという。

南アフリカの人々は水を節約するためにさまざまな知恵を使ってきた。それでも、私たちは長い間、乾燥のただ中にいる。

ハフィントンポスト南アフリカ版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

AFRICA-DROUGHT/

南アフリカの干ばつ

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

注目記事