イスタンブール事件で異例の犯行声明 ISがトルコでのテロ戦略を変えた?

トルコへのテロ戦略についてIS内部で大きな変化が起きている可能性がある。

2017年1月2日イスタンブールで、レイナ・ナイトクラブのテロ攻撃の犠牲者の一人、ユヌス・ゴルメクさん(23歳)の棺を運んでいる人々 / BULENT KILIC VIA GETTY IMAGES

トルコの最大都市イスタンブールのナイトクラブ「レイナ」で1月1日未明に発生した銃乱射事件で、犠牲者となった39人の葬儀と追悼式典が2日に執り行われた。

ナイトクラブの前には、犠牲者の死を嘆き悲しむ人たちが追悼するために集まり、店の外に立てられた警察のバリケードに沿って花が並んでいる。

トルコのアナドル通信によると、死者のうち少なくとも25人が外国人だったとみられる。レバノン、サウジアラビア、カナダ、イスラエルなど、十数か国の人々が犠牲者に含まれている。

捜査関係者は、今もテロの犯人を捜索している。犯人は銃乱射後、現場から逃走したとみられる。

■ ISが犯行声明 テロ戦略に変化?

イスラム過激派組織IS(イスラム国)は2日、犯行声明を出した。ISはこれまでトルコ国内のテロについてほとんど犯行声明を出していない。ISはこれまでもトルコでのテロへの関与を疑われている。2016年6月28日、45人が死亡したイスタンブールのアタチュルク国際空港爆破事件もその一つだ。

今回犯行を認めた真意は明らかではないが、トルコへのテロ戦略についてIS内部で大きな変化が起きている可能性がある。ロンドン大学キングスカレッジの「過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)シニアリサーチフェロー、チャーリー・ウィンター氏によると、ISがテロを計画したのか、攻撃を呼びかけたのかはまだ明らかになっていないが、今回の銃乱射事件はIS指導部の指示であることをはっきりと認めている。

ナイトクラブ「レイナ」で、テロの犠牲になったフランス系チュニジア人カップルの棺の周りで、祈りを捧げている会葬者たち。

過去6カ月間、トルコは対IS作戦でより積極的な役割を果たしてきた。ISがシリアの拠点に物品を流通させていたトルコ国境に近いシリア南部地域を、トルコは奪還していた。トルコの ニューマン・クルトゥルムシュ副首相は2日、トルコ政府はシリアとの国境を越えた軍事行動に変更はない、と述べている。

2015年以来、トルコではテロで400人以上が死亡しており、その犯行の大半はISかクルド人の武装集団によるものだった。2016年7月15日のクーデター未遂事件は、国外追放された聖職者フェトフッラー・ギュレン師の支持者と疑われる人々への大規模弾圧となり、数万人が逮捕された。

レイナのテロ攻撃を嘆き悲しみ、死者への葬儀を執り行う街の住民たち。 / BULENT KILIC VIA GETTY IMAGES

ユヌス・ゴルメクさんの葬儀で、嘆き悲しんでいる父親(左)と兄弟(右)。 / BULENT KILIC VIA GETTY IMAGES

ユヌス・ゴルメクさんの死を嘆き悲しむ親族。 / BULENT KILIC VIA GETTY IMAGES

ユヌス・ゴルメクさんの棺を運ぶ人々。 / BULENT KILIC VIA GETTY IMAGES

レイナ・ナイトクラブでの犠牲者の1人、警備担当者だったファティ・カクマク(35)さんの葬儀で、嘆き悲しむ親族。 / BULENT KILIC VIA GETTY IMAGES

ファティ・カクマクさんの親族。 / OZAN KOSE via Getty Images

レイナの近くのオルタコイ地区で警戒する、トルコ特殊部隊の警官。 / OZAN KOSE via Getty Images

レイナの正面で花を持つ女性、2017年1月2日イスタンブール / YASIN AKGUL via Getty Images

レイナの正面に、急遽設置された献花の前で佇む女性とその子供。 / OZAN KOSE via Getty Images

犠牲者に哀悼を捧げるために、レイナの正面に置かれた花とキャンドル。/Anadolu Agency via Getty Images

このテロ攻撃により、多くの外国人を含めて39人が死亡した。 / OZAN KOSE via Getty Images

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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イスタンブールで新年に銃乱射

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