アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は1月5日、Twitterでトヨタ自動車がメキシコに建設予定のカローラ新工場について「アメリカに建設しろ、さもないと高い関税を支払うことになる」と警告した。
トヨタ自動車は米国向けのカローラを生産する新工場をメキシコのバハに建てると言った。ありえない! アメリカに工場を建設するんだ、でなければ高い関税を支払うことになる。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トヨタは2015年4月、2019年に北米市場向けのカローラを年20万台生産するために新工場を建設すると表明していた。カローラの生産をカナダ・オンタリオ州ケンブリッジからメキシコのグアナファト州の新工場に移転するが、アメリカ・ミシシッピ州の工場生産は継続するとしていた。また、一方でトヨタは2016年9月にピックアップトラック「タコマ」を増産するため、メキシコのバハ・カリフォルニア州にある工場を増強すると発表している。トランプ氏のツイートは、グアナファト州での新工場と、タコマ増産の発表などを混同したとみられる。
トランプ氏はアメリカの自動車大手フォード・モーターがメキシコに新工場を建設する計画も繰り返し批判していた。フォードが3日、計画の撤回を発表すると、トランプ氏は「歓迎する」とツイートした。
メキシコの新工場を撤回し、アメリカに700人の新規雇用を作ったフォードに感謝する。これは始まりに過ぎない。さらに続く。
しかし今度はGM(ゼネラルモーターズ)がシボレー・クルーズをメキシコで生産開始したことを批判し始め、「アメリカで生産しろ、でなければ多額の関税を支払え」と、トヨタに対する要求と同様のツイートをしている。
ゼネラル・モーターズはメキシコ製のシボレー・クルーズを関税なしで国境を越えアメリカに送り込んでいる。アメリカで作れ。でなければ多額の関税を払え!
ロイター通信によると、トヨタの広報担当スコット・ヴァジン氏は「消費者のみなさんと自動車産業にとって最善の利益になるように、トヨタはトランプ政権と協力していく所存だ」と述べた。
▼画像集が開きます
(スライドショーが見られない方はこちらへ)