オバマ大統領がキューバからの移民を優遇する政策を廃止すると発表したと、ハフィントンポストUS版や時事通信などが1月13日までに報じた。オバマ大統領は声明で「この政策は過去の時代背景の元に行われたものだ」と述べ、退任を間近に控えてキューバ移民政策の転換に踏み切った。
時事通信などによると、キューバを逃れた移民は、アメリカに向かう途中に海上で拘束された場合は自国に送還されるが、「ぬれた足、乾いた足」と呼ばれる優遇政策に基づき、アメリカ領土に上陸すれば直ちに滞在が認められ、1年以上経てば永住権も取得することができた。
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ハフィントポストUS版などは、オバマ大統領が声明で「今後はキューバ人を他の国からの移民と同じように扱う。アメリカの移民政策の一貫性を高める」と話したと伝えている。キューバ政府はこれまで、優遇政策があるため、キューバ人が命がけでフロリダ海峡を渡ってアメリカに不法入国しようとすると反発していた。こうした経緯も踏まえてオバマ大統領は「キューバ政府も退去を命じられたキューバ国民を受け入れることで合意している」と話している。
AFP通信によると、アメリカは、キューバからの医療関係者を受け入れるプログラムも同様に廃止する。キューバ政府は、オバマ大統領のこうした決定について「2国間関係をさらに前進させる重要な一歩だ」と歓迎した。
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