男性保育士の女児担当外しは性差別? 熊谷俊人・千葉市長の発言で議論

千葉市の熊谷市長の発言を機に男性保育士の働き方について議論となっています。
the Huffington Post

保育士の働き方をめぐる千葉市の熊谷俊人市長の発言をきっかけに、男性保育士が女児の世話をすることへの是非について、ネット上で議論になっている。

議論の対象となっているのは、千葉市が1月18日に策定した「男性保育士活躍推進プラン」。2017年度からの10年間で、現在はいない男性保育所長を5人に増やすほか、女性保育士と同じように園児の世話ができるようにしたり、男性用のトイレや更衣室を整備したりすることを掲げている。

熊谷市長は1月19日、自身の公式Twitterを通じて「女性活躍を推進する一方、本来のダイバーシティー(多様性)を考えると男性活躍を推進する必要があります」とプランの意義を強調した上で、「更衣室が無い、女児の保護者の『うちの子を着替えさせないで』要望が通ってきた等の課題が背景にあります。女性(保育士に対しての発言)なら社会問題になる事案です」などと訴えた。

この発言をきっかけに、Twiiter上では議論が紛糾。「大変心強い。下の子が通っていた幼稚園では、同じ理由で担任を持たせてもらえなかった男性がおり、抗議したが卒業するまでそのままだった」などと賛同を得る一方、「女児の親御さんが同性更衣介添えを望むのは当然のことかと思います」といった異論を唱える人もいた。

さらに熊谷市長が「娘を男性保育士に着替えさせたくないと言う人は、同様に息子を女性保育士に着替えさせるべきではないですが、そんな人は見たことありません。社会が考慮するに足る理由なしに性による区別をすることは差別です」と続けると、「異性に対して性差別と言えるのはすごい」といった声や、「幼児への性犯罪の性別割合は9割が男性だけど」「幼女がいかに性的に搾取されているかご存知ですか?」などの反論が相次いだ。

これまで千葉市では、一部の保育所などで、保護者からの要望を踏まえて男性保育士を女児の着替えやシャワーを手伝う業務から外していた。プランの策定により、今後は要望があっても、特別な事情が無い限りは男性保育士が女性保育士と同様に園児の世話ができるようにする。担当者は、同性の介助を望むのは当然だとする意見が出ていることについて、「男女共同参画やダイバーシティーの観点から、性別によって区別するのはおかしい」と話した。

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