トランプ大統領「水責めの拷問復活だ」

「水責めがなんだというのか?」

違法な拷問だとして各方面から激しい非難を浴び、ジョージ・W・ブッシュ政権の時代まで採用されていた尋問手法、水責め。ドナルド・トランプ大統領はこの水責めを復活させたいと主張している。

トランプ大統領は25日、ABCニュースのインタビューに答え、「拷問は間違いなく効果的で有用だと考えている。なぜならアメリカはテロ組織と同じ土俵で戦っていないからだ」と述べた。

「IS(イスラム国)が中世以来誰も聞いたことのないような行いをしているという時に、水責めがなんだというのか?」トランプ大統領は言った。「私としては、『毒をもって毒を制す』べきだと考える」

「しかし、それでうまくいくと思っているのかって?」彼は自問し、そして自らの問いに答えた。「もちろんだ。うまくいくと思っている」

トランプ大統領は内閣閣僚、主としてマイク・ポンペオCIA長官とジェームズ・マティス国防長官から助言を受けた上で最終判断を下すと述べた。

ポンペオ氏とマティス氏の両長官はこれまでの発言で水責め復活を否定している。ポンペオ長官は指名承認公聴会の際、トランプ大統領が「強化された尋問手法」の再開を命じるとは「想像もできない」と述べた。

トランプ大統領が司法長官に指名したジェフ・セッションズ氏と国土安全保障長官に指名したジョン・ケリー氏の2人も、水責めは拷問であり、違法行為だと過去に述べている

トランプ大統領の提案は共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員からも非難を受けた。マケイン議員はベトナム戦争中に捕虜となって5年間の監禁と拷問を受けた経験があり、拷問を受けるということの実態を知る数少ない政治家のひとりだ。

「どんなものであっても、大統領は好きなように大統領命令に署名することができる」。マケイン議員は26日の声明で述べた。「しかし法は法だ。アメリカに再び拷問を持ち込んではならない」

ロイター通信は、水責めをはじめとするいわゆる「強化された尋問手法」は、バラク・オバマ大統領が2009年に発した大統領令で禁止されたと指摘している。のちに行われた調査では、水責めは効果を発揮しなかった(または逆効果だった)と結論付けられた。こうした行為は違法であり、国家の信用と安全を脅かすことになりかねない。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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