アントニオ猪木議員、パンツ調べる税関に不満「上のバカな奴のせい」⇒世耕経産相「それ私です」

かつて自宅マンションでライオンを飼っていたというエピソードも披露。
時事通信社

参院予算委員会では1月31日、アントニオ猪木議員(73、無所属)が質問に立った。質問の中で猪木議員は、かつて自宅マンションでライオンを飼っていたという話や北朝鮮からの帰国時の税関検査でのエピソードを披露。委員会室は笑いに包まれた。

■「(ライオンは)シャンプーをかけると『ウワァー』と唸る」

質問の冒頭、おなじみの「元気ですかー!元気があれば何でもできる。元気があれば国際交流もできる」という言葉で挨拶した。

続けて猪木氏は、千葉県の動物プロダクションで飼育員らがライオンにかまれて負傷したニュースに触れながら、「昔はニュースをみたファンが色々なものを贈ってくれた。ライオンが欲しいと言ったら、しばらくして檻に入ったライオンが送られてきた」と明かし、飼っていたライオンとの思い出を披露した。

私はその時はマンションだったので、さてどこに置こうかと。それより臭いものですから、風呂場に連れていってシャンプーをかけるとウワァーと唸るから、頭をガガン!と引っぱたくとおとなしくなりました。その時は家族も心配して「何かあったらどうするんだ」と。でも非常にいいライオンで、ベランダに寝かしたら今度は「中に入れろ」とガンガン叩くものですから、窓を開けたらいきなりベッドを占領されて、そこにションベンをされてしまったと。そんな思い出があります

その後、唐突に「というわけで、本題に入ります」と述べると、委員会室は笑いに包まれた。

■猪木議員、北朝鮮から帰国時の税関検査に不満「上のバカな奴の指示」⇒世耕経産相「上のバカな奴は私」

質問の後半には2016年に北朝鮮訪問の帰国時、羽田空港で税関の検査で「(カバンの中の)パンツの1枚1枚、間(に何かないか)を見られた」というエピソードを披露。「空港での対応はその国を好きになれるかどうかの、第一印象になる。嫌な思いをすると、この国は嫌だと感じる」と不満を漏らしつつ、以下のように語った。

帰国したら、税関職員に別室に連れて行かれて荷物を開けられた。「(別室に)行く必要はないから、ここで開けてくれ。みんなに見てもらったほうがいい」と言ったが、すまなそうな顔で「別室で」というので。(税関職員は)かばんを開けると、片隅のところで、パンツの1枚1枚、間(に何かないか)を見られた。これは私事ではなく、いじめの体質だ。「お前、いいかげんにしろ、この野郎」と怒鳴りたかったがじーっと我慢した。31回訪朝したが、1度もトラブったことはありません

また、数年前には空港で出国前の時点で別室に呼ばれ、「荷物を全部ひっくり返された」と主張。以下のように語り、世耕弘成経産相に見解を求めた。

税関サイドは「経産省のお達し』と言うし、経産省に問い合わせたら『確認しましたが、税関の業務・検査方法は私どものところではない』という。まだチェックインもしないで、どこに行くとも分からないのに。『お前らもかわいそうだな、上のバカな奴が指示するから従わないと仕方がないしなぁ』と、最近は税関パスを楽しみにしている。大臣の一言、お願いします

これに対し、世耕経産相は「物の輸出入は経産大臣の指揮命令のもと、現地では税関職員が対応する。上のバカな奴は、私に当たるわけでありますが…」と冗談を交えながら説明。

その上で、北朝鮮は「拉致で日本人の人権を侵害し、核・ミサイル開発によってわが国の安全保障に脅威を与えている。政府としては北朝鮮に対しては渡航自粛要請をさせていただいている。猪木議員が渡航されたのは、政府としては大変残念なことであります」と述べた。

また世耕経産相は、制裁の一環で北朝鮮からの輸出入が全面禁止になっていることを説明した上で、以下のように理解を求めた。

「たとえ個人の旅行者が荷物に入れて持ち運ばれるものでも、場合によっては輸出入と見させていただく」

「それを探すためにカバンの中身のチェックさせていただいている。年に少なからずひっかかるケースはある。猪木議員が悪意をもって密輸をしようと(考えている)とは思っていない」

「別室に行ったのは著名な方。遠くから見ても『猪木議員だ』と分かるし、人が集まると大変なことになる。ご理解をいただきたい」

答弁を受けて猪木議員は、「北朝鮮から帰ってくる前に3日ぐらい息をしないで空気を吸ったまま帰ってくる。輸入しちゃいけないんです空気も。一生懸命我慢してね、それで最近心臓が悪い」と冗談を述べた。

質問の最後、猪木議員は2016年12月の日露首脳会談に触れ、「できればいつか北方(領土)で格闘イベントをしようと考えている」と語った。質問時間は約17分。終始、猪木議員のマイペースさが目立つ質疑となった。

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