「イランは今つけ上がっている」アメリカがミサイル実験で強硬策を検討 イランは「核合意に違反せず」

「合意したことに感謝もしない」

2017年1月22日、ワシントンDCにあるホワイトハウスのイーストルームで行われるホワイトハウス上級スタッフ宣誓就任式に到着した、国家安全保障問題担当顧問マイケル・フリン氏。

アメリカの国家安全保障問題を担当するマイケル・フリン大統領補佐官は2月1日、イランが1月29日に弾道ミサイルの発射実験を実施したことを受けて、イランに対して「正式に警告する」と述べ、軍事行動を含む強硬な制裁策を検討すると明らかにした。

ホワイトハウスの記者会見でフリン氏は、弾道ミサイル発射実験と、紅海で輸送船を攻撃しているイエメンのシーア派系武装勢力「フーシ派」への支援について、イランに警告する声明を読み上げた。

「トランプ大統領は、イランとオバマ政権、そして国連間の合意を、脆弱で効果がないものとして厳しく非難している。合意したことをアメリカに感謝もせず、イランは今つけあがっている」と、フリン氏は厳しく批判した。

「本日、我々は正式にイランに警告する」と、フリン氏は付け加えた。

しかし、わずか数時間後、匿名を条件に話をした複数の政府高官は、フリン氏の「警告」は、オバマ前大統領が締結した、イランが核開発計画を放棄する代わりに一部の経済制裁を解除する合意とは全く無関係だと繰り返し強調した。

「こうしたミサイルの懸念は、核合意と区別され、切り離されている。私たちはこうした問題に対し、明確に一線を引いている。これは疑う余地がない」と、政府高官の1人は語った。「イランはミサイル発射実験を行ったが、決して核合意の違反ではない」

この政府高官らは、国家安全保障会議(NSC)などの情報機関が、発射実験の詳細を見直すと語った。NSCによると、発射実験は国連安保理決議に違反しているという。政府高官らはまた、情報機関はいずれも必要とされないことを願いつつ、「適切な」対応に向けた複数の選択肢を用意すると述べた。

「私たちが心から望んでいることは、イランがこの警告を受け取り、このような強硬姿勢を完全に止めることだ」と、2人目の政府高官は語った。

どちらの政府高官も、どのような選択肢が検討されているのか具体的に述べようとはせず、選択肢の中に軍事行動が含まれるのかどうかにも触れなかった。

「私たちは、早まってまたは軽率に、選択肢を除外する行動を取ったり、不必要に否定的な対応の一因となる行動は取りたくない」と、1人目の政府高官は語った。

大統領選期間中、トランプ氏は2015年のイラン核合意を「これまでに締結された協定の中で最もバカバカしいものだ」と批判している。2016年春、トランプ氏はイスラエルのロビー団体「アメリカ・イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)で演説し、「最優先事項は、イランとの破滅的な合意を破棄することだ」と述べた。

一方テヘラン・タイムズによると、イランのホセイン・デフガン国防軍需相は1日、発射実験を実施したことを認めたが、核合意には違反していないと主張した。「実験は計画に則ったもので、我が国の国防に関して外国からの干渉は受けない」と、デフガン氏は語った。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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