テロ生存者、救出した消防士と婚約「右足切断でもずっと励ましてくれた」

「私はこのまま死んでしまうのかと聞くと、彼は、軽傷だから大丈夫と答えてくれました」
BOSTON GLOBE VIA GETTY IMAGES

2013年4月15日に起きたボストンマラソン爆破テロの生存者ローズアン・スドイアさんが、彼女を救出した消防士と婚約した。

スドイアさんの人生は、あの日を境に変わってしまった。

当日は友人のゴールを待ってフィニッシュラインに立っており、すぐ近くで起きた2回目の爆発に巻き込まれた

「誰かが助けてくれない限り、私はこのまま死んでしまうと思いました」

彼女は事件の後日、CBCニュースに語っている。

爆発が起きてからすぐ、見知らぬ人が怪我を負ったスドイアさんの救護にあたった。その後、消防士のマイク・マテリアさんが地面に横たわるスドイアさんに気付き、彼女を病院に運んだという。

入院中のスドイアさん。

スドイアさんはニューヨークポストの取材に対し、病院に運んでもらう間、マテリアさんはずっと慰めの言葉をかけてくれたと話している。

「私はこのまま死んでしまうのかと聞くと、彼は、軽傷だから大丈夫と答えてくれました」

実際のところ、彼女の右脚は切断を余儀なくされるほど重傷だった。

数日後、病院にお見舞いに来たマテリアさんをスドイアさんの母親が気に入り、ふたりの仲を取り持ちはじめた。

スドイアさんにとって入院生活は辛いもので、初めは気が進まなかったという。しかし、母親の根気強さが功を奏したのか、ふたりは徐々に打ち解けていった。マテリアさんは怪我を負ったスドイアさんに常に優しく接し、励まし続けたという。

スドイアさんとマテリアさんの間には友情が芽生えた。事件から1カ月が経ちスドイアさんが退院した時、マテリアさんは大勢の記者の前でスドイアさんを抱きしめた。

退院したスドイアさんを抱きしめるマテリアさん。

ふたりの交際は順調に進んだ。2016年12月初旬、マテリアさんは愛犬の力を少しだけ借りて、スドイアさんにプロポーズした。愛犬の首輪に「マイクが、結婚してくれるかどうか知りたがってるよ」と刻印されたプレートをつけて、それを見せるというチャーミングな方法で愛を伝えたという。

2017年2月1日、ふたりはニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングで開催されたランアップのイベントに参加し、婚約を祝った。このイベントは慈善団体を支援する目的で実施されたもので、参加者は86階まで1500段の階段を一気に駆け上がった。

テロ事件をきっかけに愛を育んできたカップルは、2017年10月ごろ、ささやかな結婚式を挙げる予定だ。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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