Supreme、オバマ元大統領をデザインした服で物議。盗用?それともオマージュ?

迫力満点のオバマ・シリーズ。あなたはどう思う?

若者を中心に人気のファッションブランド「Supreme(シュプリーム)」が、2017年春夏コレクションの新作としてアメリカ前大統領・オバマ氏の顔が大きくプリントされたアイテムを発表したが、「盗用ではないか?」と波紋が広がっている。

1994年にニューヨークで誕生したファッションブランドSupremeは2月13日、公式サイトで新作コレクションを発表

ラインナップの中には、オバマ氏の顔をプリントしたセットアップのパーカーや、「Fuck the President(くたばれ大統領)」と書かれたTシャツなど、メッセージ性の強いアイテムが並んだ。

Supreme Spring/Summer 2017

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同ブランドは、元々「反トランプ派」であることをSNSなどのメディアを通して公言している。

2016年のアメリカ大統領選の直前には、「I Voted.(投票した)」というメッセージ入りのステッカーを持った黒人モデルの写真を、「#imwithher(彼女を支持する)」「#fucktrump(くたばれトランプ)」というコメント付きで公式のInstagramアカウントに投稿した。トランプ氏の中傷をしていることから、"彼女"とはヒラリー・クリントンを指していると推測できる。

This might be the most important decision of your life, make it count. Go Vote Tuesday, November 8th. #imwithher #fucktrump

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このような、「反トランプ」の姿勢とオバマ氏への敬意を表現したコレクションは大きな反響を呼び、アメリカファッション紙「GQ」などファッション情報を扱うメディアにも多く取り上げられた。

しかし一方で、このオバマ・プリントが盗用だと非難する声も上がっている。

Supremeは、既存のデザインを使って新しいデザインを生み出す「サンプリング」や「オマージュ(ある創作物や作者などに捧げる敬意や賛辞)」を積極的に取り入れるブランドでもあり、このオバマ・プリントにも元ネタがあることを「@supreme_copies」というInstagramアカウントが指摘している。

この話は、オバマ氏が大統領に就任し、アフリカのガーナを訪問した2009年に遡る。地元の人々は、オバマ氏の訪問を記念してカラフルな模様や政治的なグラフィックを施した、伝統的な織物「カンガス」を作った。(中略)このプリントを利用したアパレル商品はアメリカでも製作され、女優のヴィクトリア・ローウェルは2009年、エミー賞の授賞式に出席した際にこのプリント柄のドレスを着用している。

写真を見ると、元ネタであると指摘されたプリントはSupremeが発表したデザインと酷似しているのがわかる。

この投稿に対して、「オマージュは盗用ではない」と擁護する声や、「Supremeはデザインの元ネタは何かということを一切明かさないのに、それは敬意を払っている"オマージュ"と言えるのか」と疑問視する声などが相次いでいる。

このように、トランプ政権に反対するブランドが発表したオバマ氏への「トリビュート」から波紋が広がっているが、この件に関してSupreme側は特に声明を出していない。

■オマージュか盗用か?あなたのご意見をぜひ教えてください。

・「オマージュ」の定義

ある創作物や作者などに捧げる敬意や賛辞として、似た作品を作ること。

・「盗用」の定義

引用元を適切に明記せず、他人の考え・結果・言葉などを自分のもののように使用すること。

■Supremeとは

Supremeは、1994年にニューヨークで誕生したストリート系ファッションブランド。スケーターカルチャーなどに大きな影響を与えているブランドとして認知されており、20代を中心とした若い世代や、ミュージシャンなどから強い支持を得ている。日本では、俳優の窪塚洋介や歌手の登坂広臣などがSupremeを愛用していることで知られる。

ちなみに、オバマ氏が若い頃、Supremeの代名詞とも言える「ボックスロゴ」のTシャツを着用しているとみられる写真もネット上に広がっている。

■関連画像集「Supreme 2017年春夏コレクション「Thank You Obama」シリーズ」

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