トランプ大統領「現在の混乱はオバマのせいだ」との認識を披露、なぜなら...

「バラク・オバマ前大統領からひどい状態で引き継いだからで、トランプ政権はよく整備された機械のように働いている」

ドナルド・トランプ大統領は2月16日、ホワイトハウスのイーストルームで急遽記者会見し、イスラム圏7カ国からの入国を制限する大統領令について、「来週にも新たな大統領令を出す」と述べた。また、メディア側に対して「はっきり言って始末に負えない状態だ」と批判した。

トランプ大統領は1月27日イスラム主流国7カ国(イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン)の人々の入国を90日間禁じ、難民の受け入れを120日間一時的に停止する入国禁止措置の大統領令に署名した。

これに対し、ワシントン州にある連邦地方裁判所のジェームズ・ロバート判事が3日、「社会や経済に取り返しのつかない損害が生じる」として大統領令の一時差し止めを命じた。

トランプ政権側の司法省はサンフランシスコ連邦高裁に不服を申し立て、7日の電話による口頭弁論で「大統領が安全保障面で下した判断を覆した」として地裁命令を取り消すよう求めていた。一方ワシントン州側は、地裁の決定を取り消したら「国に大きな混乱を再びもたらす」と反論していた。

連邦高裁は9日、大統領令を差し止めた地裁命令を支持すると判断し、7カ国からの入国は継続している。

トランプ氏は会見で、「ひどい裁判所がひどい判断を下した。迅速に対処して悪者を入国できないようにする」と、入国管理に関する新たな大統領令を速やかに出す意向を表明した。

■ フリン氏の辞任は「ペンス副大統領に虚偽報告したため」

また、大統領就任前に駐米ロシア大使と対ロシア経済制裁の解除について電話協議していた問題で13日に辞任したフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)について、「私は指示していない」と否定した。その一方で「しかし、(私が状況を理解していたら)指示していただろう。なぜなら、それが彼の仕事だからだ。彼は間違ったことはしなかった」と、フリン氏を擁護した

フリン氏に辞任を要求したのは、マイク・ペンス副大統領に「ロシアとの協議はなかった」と虚偽報告していたからだと、トランプ氏は説明した。

「私がフリン氏をクビにしたのは、マイク・ペンスに言ったことが理由だ。とても簡単な話だ」と、トランプ氏は語った。

トランプ氏は「本当の問題は、フリン氏の会話に関する情報が情報機関からメディアにどうやって漏洩したかだ」と述べた。「何が悪いのかというと、この部屋にいるみなさん自身を含め、部外者にその情報を提供したことだ。機密情報が不法に提供されたからだ」

トランプ氏は大統領選で選挙陣営のスタッフが繰り返しロシア政府と接触していたことについては詳細な説明を避け、「ロシアとは何の関係もない」と述べた。

「私は誰も知らない。ロシアは謀略国家だ。ロシアとは何の関係もない。長い間ロシアとは電話もしていない。ロシア人とは話を話をしていない」

一方、プーチン大統領については、「プーチン氏とは2回話した。とてもいい会話だった」と語った。

■ メディアを執拗に批判「始末に負えないほどの不誠実さだ」

トランプ氏が急遽開いた記者会見は77分間に及び、メディア批判を繰り返した。

混乱を極めた就任後の最初の1カ月についてトランプ氏は、「バラク・オバマ前大統領からひどい状態で引き継いだからで、トランプ政権はよく整備された機械のように働いている」と正当化した。

「この発表はメディアの立会いのもと、アメリカ国民に直接発信している。なぜなら我が国の報道記者メディア業界の多くは、真実を伝えることはないし、我が国の素晴らしい人々にしかるべき敬意を持って接することもないからだ」と、トランプ氏は述べた。

「残念ながらワシントンDCや、特にニューヨーク、ロサンゼルスのメディアのほとんどは国民のための報道をせず、特別な利益のために、明らかに破綻したシステムで得をする人々のために報道をしている」

トランプ氏はまた、「メディアがあまりに不誠実だから、我々がそのことについて言及しなければ、我々がアメリカ国民に大きな危害を与えてしまうことになる、大きな危害だ」と主張した。

「我々は誠実さを欠いたメディアについて言及しなければならない。何が起こっているのか明らかにしなければならない。はっきり言って、メディアは始末に負えない状態だからだ。始末に負えないほどの不誠実さだ」

ホワイトハウスは大統領選挙中のロシア政府関係者との接触に関するスキャンダルで揺れ動いているが、トランプ氏はこのスキャンダルを「馬鹿げているし、自身を陥れようとするメディアの陰謀だ」と一蹴した。

トランプ氏は記者会見で、「機密情報の漏洩は犯罪だ」と強調した。このケースでは、トランプ氏の側近がロシアの情報部員と繰り返し接触したことが機密情報となる。トランプ氏は、機密情報の漏洩に対する捜査を開始するよう司法省に指示したと語った。

報道記者からの質問に対して、トランプ氏は「情報漏洩は事実だ。ニュースはフェイクだ」と力説した。

「機密情報の公開は望んでいない」、とトランプ氏は述べた。「こうした情報はすべて、ワシントンポスト紙やNYタイムズ紙に伝わってしまう」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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