ヴィオラ・デイヴィス、幼少期の写真はたった1枚だけ。その理由は...【アカデミー賞】

黒人女性初の快挙を成し遂げたオスカー女優のストーリー。
Reuters / PEOPLE

第89回アカデミー賞で助演女優賞に輝いたヴィオラ・デイヴィス。彼女の幼少期を語る写真は、たった1枚しかない。家が貧しくカメラを買う余裕がなかったためだと、デイヴィスは3月1日に発売された大衆誌「ピープル」のインタビューで語っている。

デイヴィスは映画の中で魅力的な女性を演じてきたが、彼女の写真はとあるストーリーを物語っている。

「この写真に映っている女の子は、笑顔でもないし、しかめっ面でもありません」

2014年に開催された「パワー・イン・ウィメン(Power In Women)」のイベントで、デイヴィスは貧困に苦しんだ子供時代についてこうスピーチをした。

「食べるために、私は盗みをしていました。うじが湧いているような大きなゴミ箱の中に入って、食べ物を漁ったこともあります。そして、食べるために、1日3回食事が出る家の子と仲良くするようにしました。子供時代は食べることで精一杯で、計り知れないほど恥ずかしい思いをしながら、私は大人になりました」

貧しさしかなかったという子供時代を振り返り、デイヴィスはこう語った。

「この女の子は、いつものように朝起きたあと自分の家を見回して、自分の人生について考えます。そして、『神様に祝福されているなんて信じられない』と思うんです」

デイヴィスの不屈の精神は、オスカー受賞後のスピーチをしている間もずっと光を放っていた。彼女はデンゼル・ワシントンが監督・主演を務める『Fences(原題)』で、夫に裏切られる妻・ローズを演じ、最優秀助演女優賞に輝いている。

「私はアーティストになりました。そして神様に感謝しています。役者という仕事は、人生の意味を考え、祝福できる職業ですから」

ヴィオラ・デイヴィスは今、51歳。過去に2度ノミネートされたが、今回の受賞が彼女にとって初めてのアカデミー賞だった。そしてこの受賞を受けて、アメリカのエンターテインメント界で最高峰といわれる3つのアワード(アカデミー賞、エミー賞、トニー賞)で受賞を果たした、初の黒人女優となった。

たった1枚残された写真に映る少女は、今や、大きく成長した。

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エマ・ストーン

第89回アカデミー賞(2017)レッドカーペット

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ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。