長野県・鉢伏山の山中で消防隊員ら9人が乗った防災ヘリコプター「アルプス」が墜落した事故で、同県警と自衛隊、消防などは3月6日早朝に現場周辺で捜索を再開し、取り残されていた6人全員を発見した。全員が心肺停止状態という。時事ドットコムなどが報じた。
これまでに搭乗者9人のうち、パイロットを含む3人の死亡が確認されている。
3月5日午後3時すぎ、長野県警のヘリコプターが長野県松本市と岡谷市の境界にある鉢伏山付近に防災ヘリ「アルプス」が墜落しているのを確認した。
NHKニュースが国土交通省の発表として伝えたところによると、「アルプス」は訓練のため5日午後1時33分に松本空港を離陸し、午後1時53分には長野県塩尻市の臨時ヘリポートに到着する予定だった。到着時刻から30分経ってもヘリコプターから連絡がなかったため、同県警が捜索を始め、鉢伏山の斜面で機体を発見したという。
朝日新聞デジタルによると、「アルプス」にはパイロット1人、整備士1人、県内の消防隊員7人の計9人が搭乗していた。搭乗していた9人のうちパイロットを含む3人が5日に松本市の病院に搬送されたが、いずれも死亡が確認された。死亡が確認されたのは、県消防防災航空隊員の伊熊直人さん(35)、甲田道昭さん(40)、パイロットの岩田正滋さん(56)。
時事ドットコムによると、墜落したヘリは300時間の飛行ごとに実施する点検を2月に実施したばかりだったという。また、死亡が確認された岩田さんは、飛行5100時間を超えるベテランパイロットだった。
運輸安全委員会は6日朝、事故の状況を詳しく調べるため航空事故調査官3人を現地に派遣している。
この事故をうけて長野県の阿部守一知事は5日夜に県庁で記者会見し、「訓練中に事故を起こすという大変な出来事が生じてしまったことは、痛恨の極みであるし、関係の皆様方に心からおわびを申し上げたい」と述べた。
【UPDATE 2017/03/06 14:03】
長野県警は6日、救助された6人について、搬送先の病院で死亡が確認されたと発表した。朝日新聞デジタルが報じた。これで防災ヘリに乗っていた9人全員が死亡が確認された。
新たに死亡が確認された6人のうち、身元が判明したのは、県消防防災航空隊の隊員・伊藤渉さん(35)と高嶋典俊さん(37)の2人。県警は残る4人の身元確認を進めている。