アイスランド政府、男女間の賃金格差を解消する発表 国際女性デー

2022年までに現在14〜18%の開きがあるアイスランドの男女間賃金格差を解消する。

アイスランドは、従業員の性別、民族、性的指向、国籍を問わず、平等な賃金を支払っていることを雇用主が証明するよう義務付ける法案を発表したと、AP通信が報じた。

3月8日の国際女性デーに、アイスランド政府はこの前例のない発表をした。この法案は従業員数25人以上の雇用主が対象で、2022年までに現在14〜18%の開きがあるアイスランドの男女間賃金格差を解消する。

この法案は3月中に国会へ提出される予定だ。

国際女性デーの8日、世界各地で女性たちが通りへ繰り出し、権利平等を求めるデモを行った。LUCY NICHOLSON / REUTERS

男女同一賃金の方針を取っている国は他にもある。アメリカ・ミネソタ州には、「女性の経済保全法」という法律があるが、その適用対象は行政当局の業務を受託する特定の業者に限られている。これに対して、アイスランド政府が今回発表した法案では、民間企業と公的機関の両方が対象となる。

AP通信によると、アイスランドのゾールステイン・ヴィグルンドセン平等推進・社会問題相は、「男女平等の権利は、人権です」と語った。「同じ職場で働く男性と女性が、平等に機会を得ることができるようにしなくてはなりません。あらゆる対策を講じてこの達成に取り組むのが、私たちの責任です」

「アイスランドは、2022年までに同一労働同一賃金の実現を目指します」ビャルニ・ベネディクトソン首相

アイスランドのビャルニ・ベネディクトソン首相は8日、ニューヨーク市でこの法案についてディスカッションした。また、この日は国際女性デーを祝ってエンパイア・ステート・ビルがピンク色にライトアップされたが、ベネディクトソン首相はユニセフ親善大使で俳優のエドガー・ラミレスとともに点灯式に参加した

2016年11月、数千人もの女性がアイスランドの首都レイキャビクに集まり、男女間の賃金格差に抗議した。女性たちがレイキャビクの路上を埋め、一斉に手を叩き、スローガンを唱和する様子を上から捉えた動画は圧巻だ。

ヴィグルンドセン社会問題相は、新しい法律が制定されれば各企業に監査が義務付けられると語った。

地元メディア「iNews」によると、ヴィグルンドセン社会問題相は「『説明のつかない』賃金格差を5%以下とし、支払い賃金の95%が適切なやり方で分配されていなければ、性別による賃金格差がない企業として認定を受けることはできません」と述べた。

監査の結果で問題が認められた場合、企業はその結果を従業員と労働組合に通知しなければならず、通知を受けた従業員には、賃金の賠償を求める権利が認められる。

世界経済フォーラムが2016年10月に発表した「ジェンダーギャップ指数ランキング」で、アイスランドは数年にわたって1位を獲得し続けており、世界でもっとも男女平等が進んだ国とされている。

世界経済フォーラムは「格差を20%以下に引き下げた国は全調査国のうちわずか5カ国しかなかった」と報告した。

アイスランドに続いて上位にランクインしたのは、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、そしてルワンダだった。

アメリカ合衆国の順位は調査対象となった144カ国のうち45位だった。ドイツは13位、フランスは17位、イギリスは20位、カナダは35位で、いずれもアメリカより上位にランクインした。日本は111位だった。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

注目記事