「学生寮で2回レイプされた」コロンビア大の女子大生が大学を訴える

「レズビアンを公表していたために起きた出来事のように思えます」

ニューヨークのコロンビア大学キャンパス

【注意】本記事には不快な気分を催す描写が含まれています。

アメリア・ロスキン・フレイジーさんはコロンビア大学の1年生の時、入学してまだ数カ月しか経っていなかった。彼女は自分のベッドでレイプされた。その2カ月後、フレイジーさんは学生寮の部屋で、1回目に襲われた同じ男に再びレイプされた。現在2年生の彼女は、対応を誤ったとして大学を訴えている。

「毎晩、悪夢を見ます。きちんと眠れればですけれど」と、フレイジーさんはハフィントンポストUS版に語った。「毎日、あの事件が頭から離れません。体に痛みも感じます」

フレイジーさんは3月21日、過失と重過失、また、性別に基づく差別を禁止する連邦改正教育法第9編(タイトルⅨ)違反で大学を訴えた。

訴状によると、フレイジーさんは2015年10月5日、男の姿に気づき目が覚めたが、そのとき枕で顔を覆われ、レイプされたという。彼女はあまりの痛さに気絶した。2回目のレイプは2015年12月14日に起きた。訴状によると、彼女が学生寮の部屋に入ると、背後から押し倒されたという。フレイジーさんを襲った男はその後、服を剥ぎ取り、電話の充電器のコードを使って彼女の両手を頭の上で縛り、ヘアブラシ、ハサミ、カミソリなど、複数の異物を挿入したという。襲われているとき、男は彼女の耳元で「まだレズか?」と囁いた。

フレイジーさんはレズビアンを公表している。彼女は、襲った男はフレイジーさんの性的指向を理由に彼女を標的にしたことが「明らか」だった、とハフィントンポストUS版に語った。「LGBTの権利活動に熱心で、レズビアンを公表していたために起きた出来事のように思えます。襲われたことよりも、そのことのほうがずっと恥ずかしいと思うようになったのです」と、フレイジーさんは語った。「大学のLGBTの学生会議に出席するのが怖いんです。標的にされるのが心配です」

私には発生時間、性的指向、加害者の身元に関係なく、大学からサポートを受ける権利がある

訴状によると、2回目の襲撃直後、ロスキン・フレイジーさんにメモが届いたという。「誰かにヤラれているのに気づいて目が覚めるってのは楽しいだろ? 新しい充電器を買ってやるよ」

訴状では、さまざまな面で大学側の対応に不備があったと訴えている。最初の襲撃後、フレイジーさんは大学に報告しなかったが、医療処置とカウンセリングを求めた。

BuzzFeedは、最初の襲撃後の状況について次のように伝えている。

フレイジーさんは学生寮を出ようとした。しかし、訴状によると、寮を出るには24時間前に手続きを取り、500ドルを支払い、また、両親に理由を伝えなければならないと言われたという。訴訟によると、大学の「カウンセリング・心理サービス」の「性暴力対応看護師」とセラピストは、フレイジーさんに、タイトルⅨで定められている権利や対処法について一切説明しなかったという。

(BuzzFeedのオンライン記事全文はこちらから読むことができる)。

2回目の襲撃後、フレイジーさんは大学を正式に訴えることにした。しかし、大学側から報告について調査することができないと告げられた。レイプ犯を特定できなかったからだ。訴状によると、大学は約1年後(2016年9月)まで襲撃について調査を開始しなかった。大学が事件の調査に動き出したのは、フレイジーさんが圧力をかけてからのことだ。

調査から26日後の2016年10月7日、コロンビア大学は捜査を打ち切った。訴状によると、フレイジーさんは「調査員は誰からも事情聴取をしなかった。彼女がレイプされたそれぞれの夜について、学生寮の侵入記録も調べなかった。また、防犯カメラの映像も調査できなかった。原告が襲撃されてから時間が経っていたため、映像が消去されていたからだ」と告げられた。

フレイジーさんは、大学は2回目の襲撃と、それに続くハラスメントを防ぐためにできることがあったはずだとハフィントンポストUS版に語った。

「大学は2015年10月と2015年12月初旬に調査すべきでした。私に住む場所を手配し、襲われた学生寮の部屋から引っ越せるようにするべきでした」と、フレイジーさんは訴えた。「ただちに安全で、勉学に励める部屋を提供すべきでした。ですがそうせずに、私は襲われたことを何回も教授に説明させられ、他に住む部屋が認められない恐怖を感じました」

3月21日の記者会見で、フレイジーさんは報道陣に「率直に言って、怒っているからコロンビア大学を訴えているのです」と語った。

彼女の訴状によると、この期間中、成績は急激に落ち、授業に出席できなくなり、課題もこなせず、また、疎外感を感じるようになったという。

コロンビア大学の広報担当者ロバート・ホーンズビー氏は、大学は係争中の訴訟についてコメントできないとハフィントンポストUS版にコメントした。ホーンズビー氏は「しかし、キャンパスで起きたとされる襲撃については深く憂慮している」と付け加えた。

フレイジーさんは、毎日、いまでも襲撃のトラウマを抱えながら暮らしていると話している。

「見つかってまた襲われるんじゃないかと、毎日恐怖を感じています」と彼女は語った。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

▼画像集「リオデジャネイロの集団性的暴行事件に抗議する女性たち」が開きます

BRAZIL-CRIME/

リオデジャネイロの集団性的暴行事件に抗議する女性たち

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

注目記事