デルタ航空を利用したアメリカ人の家族が、オーバーブッキングが起きた便で子どもが座っていた席を譲るのを拒んだことから、飛行機から追い出されたと訴える動画をYoutubeに投稿した。これを受けてデルタ航空は5月4日、ホームページ上で謝罪した。
ワシントンポストによると、問題が起きたのは4月23日のハワイ発ラスベガス行の便。家族で搭乗した男性が、18歳の息子の名前で予約した席を、2歳の息子に使わせようとした。ところが、客室乗務員から別の乗客にその席を譲るように言われ口論となり、家族は飛行機から降ろされた。
男性が5月3日、乗務員との数分間のやりとりを撮影した動画をYoutubeに投稿。オーバーブッキングが起きたので、席を譲るように言われたと訴えている。
男性は当初、2歳の息子分の席を予約していなかったが、一緒に搭乗する予定だった18歳の息子を別の便で先に帰らせ、空いた席を使おうとした。その理由について、「母親の膝の上に座ると、ハイハイして危ない」と説明している。
これに対して乗務員は、連邦航空局の規約により、2歳の子どもはひとりでは席に座れず、大人の膝の上に座る必要があると伝えた。
男性は、席を譲らなければ飛行機を降りる必要があると告げられたが、料金を支払ったことを理由に拒否すると、客室乗務員から「これは連邦法違反で、あなたと妻は収監されることになる」などと言われた。
男性は最終的に要求を受け入れようとしたが、「対応するのが遅すぎた」として飛行機から降ろされた。
動画が公開されると、デルタ航空の対応を疑問視する声などが寄せられた。
CNNによると、デルタ航空はオーバーブッキングはなかったと話しているが、キャンセル待ちの乗客がいたため、男性に席を譲るように促したという。
こうした事態を受けてデルタ航空は4日、ホームページ上で声明を発表。この家族に飛行機代を返金し、追加の補償をしたことを明らかにし、「デルタ航空のお客様が残念な経験をされたことはお詫び申し上げます。お客様の旅をお手伝いをするのがデルタの目標ですが、今回のケースではできませんでした」と謝罪した。
アメリカで飛行機の搭乗をめぐるトラブルが相次いでいる。ユナイテッド航空でも4月、オーバーブッキングにより飛行機から降りるのを求められた男性が拒否すると、警察官によって引きずり出された。この動画がSNSに投稿され、物議をかもした。