「市場開拓だけじゃない」ドンキが東京レインボープライドに初参加した理由【フェスタレポート】

自身がバイセクシュアルだとカミングアウトした、ドン・キホーテ広報室のサブチーフ、橋本京子さん。「みんながカミングアウトできる社風に」と語る。

2012年に始まり、今回で6回目を迎えた「東京レインボープライド」。そのメインイベントのひとつであるフェスタが、5月6日に東京・代々木公園で始まった。

2012年には4500人だった東京レインボープライドの参加者は、2017年には1万人を超える見込みだという(東京レインボープライド事務局調べ)。

1日目の「フェスタDAY」では、LGBTを積極的に支援する団体や企業が、ブースを出展してそれぞれの取り組みを紹介。大勢の人たちでにぎわった。

その一部をご紹介しよう。

■ ドン・キホーテ

ドン・キホーテは2016年6月から、セクシュアル・マイノリティをサポートする取り組みとして、社内でLGBT研修をスタートさせた。

これをきっかけに、ひとりの女性社員がバイセクシュアルであることをカミングアウト。当事者として社内で意見を発信し、社員が自身のセクシュアリティについてもっと話しやすくする雰囲気作りをしている。

もともとは「市場開拓」を狙って始めた取り組みだったが、今ではもっとセクシュアル・マイノリティに対する理解を深めるところからはじめようという考え方に変わってきているという。そういった社内の変化を受け、今回の東京レインボープライドに、企業として初めて参加することになった。

「今のところ、みんながカミングアウトできる社風というわけではありませんが。これから、LGBTの研修を重ねて行く中で、誰もが安心してカミングアウトできるようになればいいですね」と、女性社員は話している。

■ 株式会社Letibee

写真家レスリー・キー氏による、LGBTブライダルフォトイベントを7日(日)に開催する。撮影するのは30組のカップルで、そのうち20組は事前予約だが、当日も10組受け付けるそうだ。

ウェディングドレスやタキシードは、株式会社ブライダルプロデュースが用意した中から好きなものを選べる。

■ ライフネット生命

生命保険会社「ライフネット生命」はブースで写真を1枚撮影するごとに100円、撮った写真をSNSに投稿するとさらに100円を同社が積み立てる「レインボーフォトプロジェクト」を開催。

集まったお金で、LGBTの本を購入して全国の図書館に寄贈する。本を通して、子供や先生にLGBTに対する偏見をなくしていきたいとの思いから、このプロジェクトを始めたそうだ。

■ Tenga(テンガ)

セルフプレジャー・グッズを販売するTengaとコラボした売り場「Tenga Village」を、下北沢店で展開するヴィレッジヴァンガード。この売り場が好評だったことから、今回東京レインボープライドでもコラボブースを出展した。Tenga商品を販売するほか、コンドームを配るサービスも実施している。

「iroha」ブランドのデリケートゾーン専用ソープも販売している。

■ Toot(トゥート)

ゲイに人気のアンダーウェアブランド。トゥート製品がもらえるクイズや、デザインコンテストを実施。モデルと一緒に写真撮影するサービスもある。

■ リクルート SUUMO (スーモ)

不動産情報ポータル「SUUMO(スーモ)」は2017年春、「LGBTフレンドリー」というキーワードで賃貸物件を探せるサービスを開始した。

このサービスを使うと「LGBTの人たちの入居ウェルカム」という姿勢を積極的に打ち出しているを物件を探せるという。

ブースでは、LGBTの人たちに向けた住まいのポータルサイト「SUUMO for LGBT」の紹介や、パートナーとの住まい探しに関する個別相談などを実施している。

■ 渋谷区

結婚に相当する関係を同性カップルにも認める「パートナーシップ証明書」を2015年に発行した東京都渋谷区は「パートナーシップ証明書」の相談コーナーを開設。法律家たちが、パートナーシップに関する質問に答えた。

渋谷区男女平等・ダイバーシティ推進担当課の永田龍太郎課長によると、公正証書によるパートナーシップ契約は、渋谷区在住者だけでなく、誰でも作成することができる。永田さんは「パートナーシップ証明書についてもっと知りたいという人は誰でも来て法律家に相談して欲しい」と話している。

相談員のひとり中川重徳弁護士(府中青年の家裁判も担当)も、渋谷区でできた「パートナーシップ条例」は、やり方を工夫すれば、全国でも同じことができると思います、と話した。

【UPDATE】5月17日16時40分

取材協力者の一部の方の名前を、実名から匿名にしました。

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