「LGBTはカッコいい、そう思われる写真を撮りたい」レスリー・キーさんがブライダルフォトに込めた思い

「24年間、日本で暮らしている僕が、この国に出来る恩返しだと思います」

2017年も盛り上がりをみせた、LGBTの一大イベント東京レインボープライド。

2日目の7日(日)は、代々木公園の会場でフォトグラファーのレスリー・キーさんがLGBTカップルを対象とするブライダルフォトイベントを開催。ウエディングスタイルにドレスアップした40組のLGBTカップルを撮影した。

どんな思いでこのブライダルフォト撮影に臨んだのか、レスリーさんに話を聞いた。

■レスリー・キーさん「もっとカミングアウトしやすい場所にしたい」

レスリー・キーさん

LGBTへの認識は変わりつつあります。渋谷区や世田谷区などでいわゆる「パートナーシップ条例」が出来て、その動きは他の地域にも広がりを見せています。でも僕が以前、暮らしていたニューヨークと比べると日本のLGBTに対する理解はまだまだだと感じています。

僕はLGBTのカップルを美しく、カッコよく撮ることが自分のライフワークだと考えています。ゲイのカップルもレズビアンのカップルも、ストレートのカップルと同じように輝いている。セクシュアリティも、肌の色も、年齢も関係ない。幸せなカップルの姿は美しい。

アメリカでは、スポーツ選手や芸能人が大勢カミングアウトしているけど、日本ではほとんどいません。日本でみんながもっとカミングアウトしやすいようにするにはどうしたらいいか。ストレートがLBGTをカッコいいと思うようになればいいんじゃないか。だから僕はストレートが憧れるようなカッコいいゲイを撮りたい。それが24年間、日本で暮らしている僕が、この国に出来る恩返しだと思います。

僕は50歳になったら愛をテーマにした長編映画を撮ろうと思っています。みんが平等でお互いに尊重しあえるようになれば、きっと戦争のない平和な世界が実現すると思います。

■参加したカップルにも話を聞きました

Georgeさん(左)、Deanさん

アメリカ出身で熊本に住むGeorgeさんと フィリピン出身で福岡県に住むDeanさん。今回、この企画のために揃って東京に来ました。

「将来はアメリカに住んで結婚したい。日本でも同性婚ができるようになるといいですね」(Georgeさん)

Nguyenly Anhkhoaさん(左)と鳥山真翔さん

ベトナム出身のAnhkhoaさんと鳥山さんは今年の11月に原宿で挙式を予定している。

「人を大勢呼んで盛大に式を挙げることでみんなにゲイも結婚するんだと知ってもらいたい。本当は籍も入れられるといいですね」(鳥山さん)

彩可さん(左)、ノラさん

パンセクシュアルの彩可さんと、トランスベスタイトよりのレズビアンであるノラさんのお2人は大学時代からの知り合い。

「渋谷区や世田谷区などだけでなく、どこでも誰もが自由にパートナーとして暮らせるようになればいいですね」(彩可さん)

KAORIさん(左)とYURIKAさん

KAORIさんとYURIKAさんは、付き合ってまだ3カ月というレズビアンのカップル。

「長年付き合っている他のカップルの方を見ていると憧れます。私たちも将来は結婚したいです」(YURIKAさん)

■ブースに来た、細野豪志衆院議員にも話を聞きました

細野豪志議員(左)と、レスリー・キーさん

「東京レインボープライドも年々大きくなり、渋谷ではすっかり定着した感があります。やはりいわゆるパートナーシップ条例の影響は大きいですね。

札幌でも同様の条例が出来るなど地方では広がりを見せていますが、国レベルではまだまだです。LGBTのみなさんの権利を守る法令を作るために努力していきます」(細野衆院議員)

レスリーさんは、2016年の東京レインボープライドで60組120人、2017年は40組80名を撮影した。

現在、100組のLGBTのウエディングフォトを見てもらう展示会を企画しており、資金をクラウドファンディングで募っている。

(取材・文 宇田川しい

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