「みんなが自分を愛せるように」東京レインボープライド2017、参加者の願いは?

「ラベルフリーでいたい」「みんなが支え合える社会に」「自分を愛せるように」…たくさんの声がありました!

5月8日、大盛況のうちに幕を閉じた東京レインボープライド2017。セクシュアリティや性別、年齢、国籍を問わず多くの人たちが訪れてパレードやイベントを楽しんだ。

東京レインボープライド2017のテーマは「CHANGE−未来は変えられる−」だった。

このテーマにちなんで、会場の人たちにこれから自分や、社会をどんなふうに変えていきたいかを聞き、メッセージを書いてもらった。

高橋万里菜さん

出展している友人の手伝いに来たという高橋万里菜さん。仕事にしているフラワーアレンジメントの技術を生かして撮影用のブーケ作成を担当。

「私はストレート(異性愛者)ですが、海外に住んでいたこともあり、LGBTの友人は大勢います。どんな人でも人生バラ色になるような、そんな社会になっていったらいいですね」

コウさん

アセクシュアル(無性愛者=性的欲求を感じない人々)のコウさんは、なかなか他人にセクシュアリティを理解してもらえないことが悩み。

「多くの人は誰にでも性欲があるはずだという前提で考えているので、アセクシュアルだというと冗談だと思われてしまうこともあります。セクシュアリティについての理解が進んで、誰もがありのままで生きられる社会になってほしい」

カズヒコさん(左)、ゆきのさん

レバノン出身のカズヒコさんと、ゆきのさんは友人同士。

「自分を愛せない人は他人も愛せません。みんなが自分を愛せるように変わっていってほしい」(カズヒコさん)

トビーさん(左)、リエさん

出展ブースの集客のためにフリーハグをしていたトビーさんとリエさんはストレートアライ。2人とも出展企業でインターン中の学生。

「結婚や出産のプレッシャーを受け、“らしさ”を強制される私たち女性の生きづらさは、LGBTの人たちと共通するものだと思います。今日、ここでフリーハグをしていて感じたのは本当にいろいろな個性の人がいるということ。その人たちがそれぞれ自分らしく生きられるような社会を実現したい」(リエさん)

宮川典子さん

衆議院議員で、自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」事務局長を務める宮川典子さん。

「LGBTに興味を持ってもらう入り口はどんなものでもいいのだと思います。面白そうとかカッコいいとかなんでもいい。様々なセクシュアリティを持った人たちが出会える場を作ることが大切。

今日はパレードに参加して沿道からの暖かい声援が多いことが嬉しかったです。セクシュアル・マイノリティがカミングアウトせずにいても、周囲が“もしかしたらそうかも”と思いながらも受け入れ、いつかカミングアウトしたら歓迎する。そんな社会にしていきたい」

Aさん(左)、ヨシマンさん

付き合って8年というゲイカップルのヨシマンさんとAさん。

「今日はこの格好でパレードを歩きました(笑)。カミングアウトできないというのは、自分の中にゲイであることを恥じる自分がいるからだと思う。LGBTが話題になっている今こそ、そんな自分を変えるためのチャンス。

ただ、これは東京にいるから言えること。地方はもっと厳しい状況。地方の状況を変えるために東京のゲイはどんどん情報発信していくべきだと思う」(ヨシマンさん)

ハヤトさん(右)、ココちゃん(中央)、マドカさん

ゲイであるハヤトさんの友人、マドカさんは2歳のココちゃんを連れてパレードに参加。最近、恋人と別れたばかりというハヤトさんはレインボープライドで元気をもらったとのこと。

「自分自身も、世の中も勇気を持って前に進んでいくべき!」(ハヤトさん)

ライアンさん(左)、荻野健太さん

荻野健太さんとカリフォルニア出身のライアンさんは付き合って1カ月のカップル。

「ファッションやアートの勉強をしながら、ウェブサイトで編集の仕事をしています。様々な活動を通して自分たちの世代が日本を変えていきたい。日本でも同性婚ができるようになるといいですね」(荻野さん)

猪飼恵美さん(左)、日比朝子さん

猪飼さんと日比さんは職場で知り合って付き合うようになったカップル。猪飼さんはパンセクシュアル、日比さんはあえて言うならレズビアンだがセクシュアリティでラベリングされることに疑問を感じるという。

「女の子と付き合ってると言うと、否定的な態度を取る人もいる。でも誰になんと言われようと自分は自分。他人に自分のことを決められたくない」(猪飼さん)

「誰にもラベリングされたくない。ラベルフリーでいたいです」(日比さん)

木部智輝さん(左)、渋谷哲生さん

自らもトランスジェンダーでありNPO法人で性別違和に悩む人のアドバイザーを務める木部さんと、摂食障害者に自助グループを主催する渋谷さん。

「“らしさ”の壁を壊して、誰もが生きやすい社会を実現したい」(木部さん)

佐藤さん(左)、東英子さん

東英子さんは着付けの先生、佐藤さんはその生徒さん。今日はフロート(パレードに出る山車)に乗る障害のある人などの着付けで参加した。

東さんは、フロート「Let’s MAZEKOZE号」を出走した、一般社団法人Get in touchの理事長でもある女優の東ちづるさんのお母様。

「聾の人の着付けを手伝うために手話を勉強中です。誰かが誰かを支えるのではなく、みんなが支え合える社会になるといいですね」(東さん)

(取材・文 宇田川しい

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