NHK、受信料啓蒙コンテンツに人気声優を起用 若者の心をつかむために懸命
「少しでも受信料を好きになってもらえるように努力するからね」。人気声優が演じる架空のNHKスタッフ(キャラクター)4人の “イケメンボイス”を聴くことができる特設WEBサイトが話題だ。
新大学生、新社会人などの18~23歳をメインターゲットに、公共放送や受信料について解説し、正しい理解を促す目的で開設されたものだが、好きな彼とのチャットを楽しむ乙女ゲーム風に問いかけに選択肢で答えたり、返事をしてくれたり、その「クオリティーが絶妙でヤバイ」などと評判は上々。コンテンツも少しずつ拡充されており、目が離せない。
サイトオープンは3月14日。キャラクターデザインや声優の配役などが明らかとなり、その情報はSNSでまたたく間に拡散。公開初日にツイッターではトレンド入りも果たした。配役は、大河丸役に鳥海浩輔、法堂誠役に檜山修之、京育夫役に保志総一朗、そして樹新涼役に諏訪部順一。
その後、プロモーションツールとして、同局では初となるLINEスタンプを発行。4月19日よりサイト内に、追加コンテンツ「キュンつぶ」を公開。ほぼ毎日、キャラ4人がツイートのタイムライン風な形で会話しており、「キュンつぶがキュン活本編並みに面白くて泣いてる」「たまに、キュン活ほっとらいんを覗くと愉快な書き込みがあるからとても好きです」「NHKキュン活ほっとらいんを見て思うのは、要素の取り出し方・デフォルメの仕方が相当上手くて笑いどころもピタリだということ」といった好意的な書き込みも多く見られる。
4月28日は、大河ドラマ『おんな城主 直虎』中野直之役の矢本悠馬、5月2日には『ニュースウオッチ9』に出演中の気象予報士・斉田季実治が“キュンとする動画”で登場。そして、きょうから連続テレビ小説『ひよっこ』のヒロイン・みね子(有村架純)の心の支えとなる洋食屋の見習いコック・前田秀俊役の磯村勇斗が登場する。
先日、昨年度の決算(速報)で受信料収入は前年度比144億円増の6769億円と過去最高を更新し、支払率は79%と年度目標(78%)を上回ったという発表があったが、将来にわたって番組を見てもらうために、若者の心をつかもうと、NHKも懸命だ。声優や俳優たちのファンか、あるいは純粋にコンテンツを楽しんだ人の「これなら受信料払ってもいいな」「何や…もう…はい、受信料払います」「ちゃんと受信料払わないとな」「受信料分は楽しんだ」といったリアクションも。
今後も、特徴的なヘアスタイルと声の魅力で人気のキャラクター「樹新涼」をフィーチャーした新ボイスコンテンツが順次追加公開予定となっている。担当する諏訪部にコメントを求めると、快く応じてくれた。
「オファーをいただいた時点の資料では、樹新涼は落書きのような簡単な顔をしていました。ヘアスタイルは既にあの感じでしたが(笑)。企画内容的にも『この遊び心、オモロイ!』と思い、すぐさまお引き受けすることを決めたのですが、収録の際には随分とイケメンになっていて…。とても驚きましたが、より一層哀愁漂う感じになったような気がします(笑)。心を込めて演じさせていただきました。近年制作されている数々のエッジィな番組と同様、NHKの遊び心が詰まったコンテンツなので、未体験の方も、体験済みの方も、繰り返しお楽しみいただけると幸いです」。
■NHKキュン活ほっとらいん
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