「フリーランスで働く人って幸せなの?」 民間企業が「幸福度」を調査

最近良く聞く、フリーランスという働き方。フリーランスワーカーは、果たして、人よりも幸せなのだろうか?

最近良く聞く、フリーランスという働き方。果たして、幸せな働き方と言えるのだろうか?

フリーランスワーカーの人材紹介などを手がける「Waris」は、5月30日、フリーランスと幸福度に関する調査結果を発表した。その結果、調査に回答したフリーランスワーカーの人生満足度は、日本人の平均よりもかなり高い数値であることがわかった。

ただし、回答者は、ハイスキルな女性を主な対象とする同社への登録者など、155人。また、回答者のほとんどが、30〜40代の既婚女性で、子どものいる人が多かった。

同社は「対象者には偏りがあり、この結果でフリーランス全般について、平均より幸せだと断言することはできない」と説明。今後も、引き続きフリーランスワーカーの実態調査を続けたいとしている。

■日本人の平均より高い「人生満足度」

調査は、科学的なアプローチで「幸せ」について研究する、慶應義塾大大学院の前野隆司教授(システムデザイン・マネジメント研究科)の監修の下、同社の調査組織 Waris Innovation Hubに参加するフリーランスリサーチャー、水間玲子さんらが実施した。

同社は、登録者などを対象に2016年12月にオンラインでアンケートを実施し、前野教授が提唱する、人間の幸福感を指標化した「人生満足尺度」の考え方を利用して、寄せられた回答を分析した。

回答者の9割以上が女性で、平均年齢は40歳、既婚者が82%、子どもありが68%だった。最も多い年収層は300万円台(19%)。働く時間は8割以上の人が150時間未満だった。

その結果、回答したフリーランスワーカーの「人生満足度」の平均は、35点満点中、25.9点だった。

これは前野教授らが2011年に調査した、15〜70歳の日本人男女1500人の平均値、18.9点と比較してかなり高い数値となっている。

そうしたことから、同社は「フリーランスという働き方は一定の満足の得られるスタイルとなり得る」と分析した。

前野教授は、調査について「学術的な調査にするためには、他の因子を揃えて比較する必要がある」としながらも、「これまでの調査と比較してかなり満足度が高い。他の因子を調整して調査しても有意な差がでるほど、高いだろうと予測される」と評価。

また、「少なくとも、回答したフリーランスワーカーの幸福度が高いことは確か。男女ともに、より自由な働き方をして幸せになれる時代を目指すべきだと感じる」と話している。

■幸せにつながる要因は「今の自分は、なりたかった自分」

また、同社の調査で、人生満足度は、年収や働く時間とは相関しないことも明らかになった。

それでは、調査対象となった人々が「幸せ」と感じる要因は何だったのだろうか?

回答を分析した結果、幸福に強く影響する心的要因の中でも、最も大きな影響を与えていたのは「自己実現と成長」に関する質問だった。

その質問の中でも、「今の自分は『本当になりたかった自分』である」の質問が最も得点差が大きく、満足度が高い人と低い人を分ける要素になっていた。続いて得点差が大きかったのは「私のこれまでの人生は、変化、学習、成長に満ちていた」だった。

同社は「『ありたい姿・ビジョンが明確』ということが、フリーランスワーカーが幸福に働くにあたっての重要なポイント」と提言している。

2017年3月に発表された民間のフリーランス実態調査によると、国内の広義のフリーランス人材は1122万人おり、今後も増加が見込まれている。

Waris Innobation Hub プロデューサーの小崎亜依子さんは調査の動機について「これまでフリーランスについての企業視点の分析は多かったが、労働者視点は少なかった。フリーランスという働き方は、本当に幸せなのか、今後の私達の未来を明らかにしたいと思った」と語った。

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あらしい

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