「見知らぬ私を助けてくれてありがとう」ヘイトクライムにあった16歳の女性、命犠牲に守ってくれた男性に涙の感謝

「サウジアラビアに帰れ」電車内で攻撃された10代の女性を助けるため、男性たちが立ち上がった。しかし……
KPTV

「私のことを知らなかったのに、命を危険にさらしてくれて本当にありがとう」

「助けてくれなかったら、私たちは今頃死んでいました」

アメリカ・オレゴン州ポートランドで、電車の中でヘイトクライムの被害にあい、乗り合わせた乗客に助けられた16歳のデスティニー・ミンガムさんが、地元のテレビ局「KPTV」のインタビューで涙を流しながら感謝の言葉を伝えた。

彼女と17歳の友人を助けた男性のうち、2人は命を落とし1人が重傷を負った。

「私を助けてくれた方たちに、感謝を伝えたいです。彼らは私のことを知らなかったのに命を危険にさらしてくれました」

「彼らは私と友達のために命を落としました。助けてくださった方たちとご家族に感謝したい……。彼らがいなければ、おそらく私たちは今頃死んでいたでしょう」


KPTVによればミンガムさんは5月26日、友人と一緒に乗った電車で、ジェレミー・クリスチャン容疑者(35)から「サウジアラビアに帰れ」「お前らは何の役にも立たない、死んだ方がいい」と罵倒された。ミンガムさんは黒人、友人はイスラム教徒でヒジャブを身につけていた。

ふたりの後ろにいた男性が「この若い2人の女性に、そんな不敬な態度を取る権利はない」と助けに入ったが口論になり、クリスチャン容疑者は持っていたナイフで彼らを刺した。

被害者のうち、リッキー・ジョン・ベストさん(53)とタリシーン・ムルジン・ナムカイ・メシェさん(23)は死亡、マイカ・デヴィット・コール・フレッチャーさん(21)は重傷を負った。

亡くなったナムカイ・メシェさん。2016年にポートランドの大学を卒業した。母親が「彼は私の英雄でした。これからも英雄であり続けるでしょう。輝き続ける星。あなたを一生愛し続けます」と投稿した。

もうひとりの犠牲者ベストさん。退役軍人で、ポートランド市の開発サービス局で働いていた。4人の子供がいる。(HANDOUT)

ハフポストUS版によると、クリスチャン容疑者はこれまでにも強盗や武器所持などの罪で起訴された経歴がある。また、白人至上主義者との関係があることでも知られている。

犠牲になった3人は「英雄」と讃えられていて、ポートランドのテッド・ウィーラー市長は「彼らは正しい行動をとったがために攻撃されました。彼らの勇敢で自己犠牲を省みない行動は、私たちすべてにとってお手本であり、勇気づけてくれます」と述べた

また、犠牲になった3人を支援するためのクラウドファンディングサイトには、現時点で1億円以上が集まっている

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