「トランプ氏から捜査から手を引くよう要請された」コミー元FBI長官が証言へ 「ロシア疑惑」めぐり

アメリカ大統領選へのロシア介入疑惑で、連邦捜査局の元長官が、トランプ大統領から自身の側近に対する捜査をやめるよう要求されていたことを上院で証言する。
Reuters

2016年のアメリカ大統領選にロシアが介入した疑惑をめぐり、連邦捜査局(FBI)元長官のコミー氏が6月8日、トランプ大統領から自身の側近に対する捜査をやめるよう要求されていたことを上院で証言することが明らかになった。

長官自ら大統領による「捜査妨害」について証言すれば、トランプ政権にとって大打撃となるのは確実だ。

大統領選をめぐっては、ロシアがアメリカ側にサイバー攻撃を仕掛け、トランプ氏の対立候補だった民主党のクリントン元国務長官に関する電子メールを流出させるなどしてトランプ氏の当選を後押しした疑いが持たれている。

トランプ氏側とロシアとの関係についてFBIが調べてきたが、5月上旬、トランプ氏は突如、コミー氏を長官職から解任。クリントン元国務長官のメール問題に対する対応の不備を解任の理由に挙げたが、自身とその周辺に捜査が及ぶことを避けようとしたとの疑惑が指摘され、真相を究明する動きが議会でも強まっていた。

コミー氏がこの日証言するのは上院の情報特別委員会。委員会は8日までに、コミー氏が予定している証言内容を公式サイトで発表した。

それによると、コミー氏は2月14日、ホワイトハウスの大統領執務室でトランプ氏と面会した際、ロシアとの関係をめぐって辞任したフリン前大統領補佐官について、トランプ氏から「彼はいいやつだ」「彼を放免することを期待している」などと言われたという。

コミー氏はトランプ氏のこの発言について、「フリン氏とロシアとの関係に関する捜査から手を引くよう、大統領は要求していると理解した」としている。

また、1月にはコミー氏をはじめとする情報機関幹部らが、トランプ氏らに対し、大統領選にロシアが介入した疑いがあることや、ロシア側がトランプ氏のわいせつな情報などを入手している可能性があることについても説明したという。

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