Jアラート、なぜ鳴らないの?北朝鮮がまたミサイル発射したけど...

大地震や弾道ミサイル発射時などの緊急事態に国民に瞬時に緊急情報を知らせてくれるのが「全国瞬時警報システム」、通称「Jアラート」だ。
The scene of the intermediate-range ballistic missile Pukguksong-2's launch test in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) May 22, 2017. KCNA/via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. EDITORIAL USE ONLY. REUTERS IS UNABLE TO INDEPENDENTLY VERIFY THIS IMAGE. NO THIRD PARTY SALES. SOUTH KOREA OUT.
The scene of the intermediate-range ballistic missile Pukguksong-2's launch test in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) May 22, 2017. KCNA/via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. EDITORIAL USE ONLY. REUTERS IS UNABLE TO INDEPENDENTLY VERIFY THIS IMAGE. NO THIRD PARTY SALES. SOUTH KOREA OUT.
KCNA KCNA / Reuters

北朝鮮によるミサイル発射が相次いでいる。

6月8日午前にも、北朝鮮が短距離の地対艦巡航ミサイルと見られる数発を、日本海に向けて発射したという韓国軍の発表をNHKが伝えた。ミサイルは発射後、約200キロ離れた場所に落下したという。

北朝鮮からのミサイル発射報道がなされるたびに、Twitter上では「Jアラート鳴った?」「Jアラート鳴らなかった」などの声が多くあがる。

何となく「緊急事態に携帯やスマホに通知がくる仕組み」という印象はあるが、「Jアラート」とは一体何なのか。

■「Jアラート」とは?

緊急事態に、国民に情報を知らせ、避難を促すのが「全国瞬時警報システム」、通称「Jアラート」だ。総務省消防庁の発表している説明資料によると、Jアラートとは以下のようなものだ。

弾道ミサイル情報、津波警報、緊急地震速報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を国

(内閣官房・気象庁から消防庁を経由)から送信し、市町村防災行政無線(同報系)等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム

(総務省消防庁「全国瞬時警報システム(J-Alert)」説明資料より)

2007年2月から一部の地方公共団体で運用が開始され、2017年現在、全ての地方公共団体がJアラートに対応しているという。

Jアラートを使用すると、市町村の防災行政無線等が自動的に起動し、屋外スピーカー等から警報が流れるほか、携帯電話にエリアメール・ 緊急速報メールが配信される。

■弾道ミサイルが発射されたら?

弾道ミサイルが発射された場合、Jアラートは私たちにどのように届くのだろうか?

●ステップ1

政府が、弾道ミサイルが日本に「飛来する可能性」があると判断した場合に、国民に避難を呼びかけるために送信される。

●ステップ2

その後、弾道ミサイルが日本の領土・領海に「落下する可能性」があると判断された場合には、続報としてただちに避難を呼びかけるメッセージが届く。

●ステップ3

弾道ミサイルが日本の領土・領海に「落下した」と推定された場合と、日本の上空を「通過した」場合と、日本まで飛来せず「領海外の海域に落下した」場合に、その旨が続報として届く。

【参考】エリアメール・緊急速報メールの受信画面の実例

(平成28年2月7日に沖縄県内で配信されたもの)

■ミサイルが発射されてもJアラートが来ない時がある?

しかし、6月8日午前の北朝鮮のミサイル発射時のように、Jアラートが届かない時もある。届かなかったのはなぜだろうか?

総務省のQ&Aサイトによると、弾道ミサイルが日本の「領土・領海」に落下する可能性、あるいは通過する可能性がないと判断された場合には、Jアラートは使用されないという。

ちなみに、排他的経済水域内にミサイルが落下する可能性がある場合にはJアラートは使われないが、船舶、航空機に対しての警報が発せられるという。

【参考】領海等に関する用語(海上保安庁ホームページより)

■「Jアラート」、鳴らない場合の対処法は?

総務省消防局の報道資料によると、ほとんどの携帯電話・スマートフォンでJアラートの受信が可能だが、一部受信ができない端末があるという。

受信できない場合には、Yahoo社が無料で提供している「Yahoo!防災速報」を利用する方法と、一部の地方公共団体で実施している事前にメールアドレスを登録しておく方法の2通りで、弾道ミサイルなどの情報を受け取るように勧めている。

▼画像集が開きます▼

【※】スライドショーが表示されない場合は こちら

関連記事

注目記事