安倍首相「政府への不信招いた」。加計学園問題、記者会見で謝罪

安倍晋三首相は6月19日夜、記者会見し、自らも関与が疑われている加計学園問題について「政府への不信を招いた」などと謝罪した。
時事通信社

安倍晋三首相は6月19日夜、記者会見し、自らも関与が疑われている加計学園問題について「政府への不信を招いた」などと謝罪した。

加計学園(岡山市)による獣医学部新設をめぐっては、内閣府が文科省に対し、「総理のご意向」などとして設置を急がせていたことが書かれた文書が見つかっている。

安倍首相は会見の冒頭、この問題に言及し、「最初に調査した段階ではそれらの存在を確認できなかった。二転三転した形となり、長い時間がかかることとなりました。こうした対応が国民のみなさまの政府への不信を招いたことは率直に認めなければなりません」と述べた。

その上で、「国家戦略特区は民間メンバーが入り、諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて議論を進め、決定されていきます。議事はすべて公開しています」「半世紀ぶりの獣医学部新設についても、審議に携わった民間議員のみなさんも審議に一点の曇りもないと断言されておられます」などと、学園側に対する便宜などを否定した。

一方で、国会の論戦についても「印象操作のような議論に対して、つい強い口調で反応してしまう。そうした私の姿勢が、結果として政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省しております」と語った。

記者から森友学園問題に関する説明責任について問われると、「森友学園への国有地の売却問題については、すでに会計検査院が検査に着手をしており、政府としては全面的に協力をしてまいります」と述べるにとどめた。

「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法案の審議が不十分だとの指摘があると記者から問われると、安倍首相は「一般の方が処罰の対象になることはない。そしてまた、一般の方が被疑者として捜査の対象になることはない」と断言した。

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