チーズの関税どうなる? EUとのEPAで大枠合意

大枠合意したEUとのEPA。チーズの関税はどうなるのか。

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)をめぐる交渉が7月5日、大枠で合意した。交渉はチーズやワイン、自動車などの関税を引き下げることで一致。約9割の品目で関税が撤廃されるとみられる。朝日新聞デジタルなどが報じた。

NHK毎日新聞などによると、大枠合意したとみられる内容は、チーズ以外については以下の通り。

■チーズはどうなる?

大きな焦点となっているのは、日本に輸入されるチーズ。現在は原則として29.8%の関税がかけられているが、EPAでどう変わるかについては、報道各社で見解が微妙に異なっている。

NHKニュースによると、カマンベールやモッツァレラなどのソフトチーズについては「一定の枠を設けて15年かけて撤廃することでほぼ合意した」というが、毎日新聞は、日本側は「EPA発効後15年程度でこの輸入枠の関税を限りなくゼロに近づける譲歩案を示した」と伝えている。日本農業新聞によると、ゴーダやチェダーなどハード系のチーズは、段階的に撤廃する方向で調整している。

EPAとは、特定の国や地域との間で、関税をなくし、モノやサービスの自由な貿易を一層進めることを目的とした協定のことだ。日本とEUは2013年に交渉入り。4年以上に及ぶ交渉の末、大枠合意に至った。日本側が主に自動車や自動車部品などにかかる関税の撤廃を要求。EU側はチーズやワインなどの農産品について、日本側に市場開放を求めていた

日本とEUの2016年の貿易額は日本円でおよそ1330兆円となり、世界全体の貿易額の約37%を占める。EUとのEPAが発効すると、日本国内ではワインやチーズなどの関税が下がって安く買えるようになったり、EU側も自動車や家電製品などを安く輸入できるようになったりする。一方、日本では酪農家などが、厳しい競争にさらされることにもなる。

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