花嫁を中古車に例えて査定するアウディのCM⇒「女性差別だ」 炎上で打ち切り

ドイツの車メーカー・アウディが中国で放映した新婦を中古車に例えた内容のCMに対して「女性差別だ」との批判が殺到し、CMが打ち切りになった。
South China Morning PostのYouTubeチャンネルより

ドイツの車メーカー・アウディが中国で放映したCMが物議を醸している。新婦を中古車に例えて査定する内容に「女性差別だ」などとの批判が殺到し、CMが打ち切りになったと、ロイター通信などが報じた。

CM動画は30秒ほどで、ある中国人カップルの結婚式の場面から始まる。新郎の母親が2人の間に割って入り、新婦を査定するかのように見た後、新婦の鼻をつまんだり耳をつねったりする。さらに口の中を覗き、歯まで調べて満足したのか、2人に対して笑顔でOKサインを出す。

これで終わりかと思いきや、母親は新婦の胸元にじろりと視線を向ける。

直後にアウディが街を走るシーンに切り替わり、「重要な決断は慎重に」というナレーションが流れる。「正式な証明書があってこそ安心できる」と続き、中古車のオンラインショップの説明でCMが終わる。

CNNによると、このCMは、アウディの親会社であるフォルクスワーゲンが中国国内でジョイントベンチャーを組んでいる企業の中古販売部門が制作した。今週にネット上や国内で映画館で放映されると、「女性差別だ」といった声が広がった。

これをを受けアウディはCMの放映を中止。19日に声明を発表し、「深く後悔している。広告が多くの方に与えた印象は、私たちの会社が目指している価値と全く一致しない。こうした事態が今度起きないよう、ジョイントベンチャーの担当部署が詳細な調査をしているところです」と述べた。

フェミニスト活動家のリ・マイジィー氏は「たいていの会社は男女平等のコンセプトを理解していない。これは、中国の規制団体でも同じです」とCNNの取材に対して答えた。

インディペンデンドによると、中国ではCMが過去にも物議をかもした例がある。洗剤メーカーが2016年、黒人を“洗濯”し、肌の色が明るいアジア人に変身する表現のCMを放映。人種差別的な表現をしたとして謝罪した。

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